マイナ保険証の本格運用から1週間。9日から病院では暗証番号なしでも医療情報の閲覧ができるようになります。救急の最前線を取材しました。
■同意不要で「情報閲覧」開始
茨城県つくば市の救急病院。午前11時すぎ、運ばれてきたのは70代の男性です。インフルエンザに感染し、体調を崩しました。
病院側が患者に同意を求めたのは保険証をひも付けたマイナンバーカードの閲覧です。
看護師 「同意してもらえば、医師が(医療情報を)参照できるんですけどよろしいですか?」
患者 「はい」
同意を得たマイナ保険証を読み取り機に。
画面に映し出されたのは「手術」「診療」「お薬」「検診」の文字。患者の医療情報を、その場で把握できます。
■マイナ保険証“意識ない患者”対策
9日から変わるのが、意識がなく会話が困難な患者への対応です。
これまでは医師が患者の家族や医療機関から薬や持病などの情報を聞き取り、カルテを作る必要がありました。
9日からは医師が必要と判断すれば患者の同意がなくてもマイナ保険証を使って必要な医療情報を把握できるようになります。
筑波記念病院 救急科 長田雄大課長 「服薬情報・受診歴・アレルギーなど分かることがある。飲んでいる薬から『こういう病気があるのかな』と判断できたり、手助けにはなると思う」
素早く正確な情報が得られることで、救急時でも最適な治療法を選ぶことができるといいます。
一般外来の患者(71) 「年をとれば何が起きるか分からないから、いいのかな」
一般外来の患者(20代) 「お医者さんにきちんと伝わることはとてもいいメリットだと思う。ただ、個人情報でもあるので情報をきちんと管理されるのかなという不安はある」
1週間で増えた不安の声に関し、社会部の厚生労働省担当・岩崎文生記者の解説です。