2日から今の健康保険証の新たな発行が停止し、本格的にマイナ保険証へと移行します。医療現場ではカードの読み取りに苦戦するなど各地で混乱が相次ぎました。
■本格運用「マイナ保険証」混乱の現場
病院の受付でカードリーダーにマイナンバーカードを読み取らせる、それだけの作業も慣れていないとよく分かりません。
しばらくしても何も起きませんが…。
受付の人 「終わりました？マインンバー」 男性患者 「マイナンバ―入れたよ」
カードを置く位置が悪かったようです。
受付の人 「それで顔認証か、暗証番号」 男性患者 「暗証番号…」
顔認証を選びましたが…。
男性患者 「マスクはだめ？マスクを取るの？」 受付の人 「そうですね、マスク取って…」
マイナ保険証での受付は、まずカードリーダーにマイナ保険証を入れ、そして、4桁の暗証番号を入力するか顔認証を行い、本人確認するというものです。
男性患者 「同意するの？いちいち…」 受付の人 「全部、お答えいただいて、すみません」
こちらの男性、無事、受付が終わりましたが…。
男性患者 「面倒だな…」
国は「マイナ保険証」に本格移行させる方針で、2日からこれまでの「健康保険証」の新規発行が停止されました。「健康保険証」はしばらくは使えますが、有効期限があるため、最長でも1年で使えなくなります。
混乱は各地で…。仙台市青葉区役所には10月ころから保険証が使えなくなるのかなどの問い合わせが相次いでいます。
青葉区役所 保険年金課 磯部未知主任 「一番多いのは、マイナ保険証を持っていないんだけれど、病院の受診ができなくなるという電話が多くて、そういう人には、今お持ちの保険証で受診できますよと安心していただけるようにお答えしています。まずは保険証の有効期限を確認していただき、加入されている保険の情報を確認いただければと思います」
病院では、スタッフが使い方を教えるのに追われています。
受付の人 「大丈夫です。はい、これしまって下さい。ちょっと難しかったね」
マイナ保険証を利用 70代の人 「（Q.使い勝手は？）分からないから、教えてもらいながら。なんか同意するとか色々書いてあったんで、ちょっと分からないから難しい」
マイナ保険証を利用 60代の人 「持病があるので、お薬手帳を持って歩いているので、それが一緒になるじゃないですか。そうなるとすごく楽です。情報が全部先生へ行きますから」
■「マイナ保険証」長所＆短所は？
マイナ保険証では、患者の同意があれば、医師は過去の病院での受診歴や、もらった薬の情報を見ることができるため、国は、より適切な治療を受けられるようになるとしています。
健康保険証を利用 20代の人 「（Q.マイナ保険証に移行することは？）知らなかった。便利だと思う」 「（Q.マイナンバーカードは持ってる？）持っていなくて。全く分からないかも」
マイナ保険証を登録していない人や、そもそもマイナンバーカードを持っていない人はどうすればいいのでしょうか。
その場合、保険証の有効期限が切れる前に、医療保険の保険者からマイナ保険証の代わりになる「資格確認書」が送られてくることになっていて、これで受診することができます。
現在、マイナ保険証の利用率は15％余りですが、病院側は今後、利用者が増えた場合の課題を指摘します。
板橋区医師会病院 医事課 吉田桜課長代理 「地域柄、高齢者が多いので、機械を取り扱うのにスタッフの手を取られるので、もっともっと人手が必要になるかなと思う。（カードリーダーの）台数を増やしていくにはコスト的なことで国の支援も必要」
マイナ保険証の利用登録は、マイナンバーカードを持っていれば医療機関の窓口やオンライン上の「マイナポータル」などで行うことができます。
