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“クマ3倍目撃の夏”猛暑で山のエサ腐り空腹→川伝いに街へ…相次ぐアーバンベア出没

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きのう26日も、山形県で男性がクマに襲われ大けがをするなど被害が拡大し続けています。専門家は、この“猛暑”によって、クマの生態が変化しているとして、8月以降も警戒が必要だと指摘しています。

■ドローンでクマ追跡 住宅の庭先に姿

植え込みの中から民家の塀によじ登る黒い影。今月23日、山形市の中心部から3km程の住宅街に現れたクマの映像です。体長約1m。クマは悠然と庭先を通り、姿を消しました。 北海道斜里町では、ツーリング中の男性が、わずか30分の間に2度、親子連れと思われるヒグマに遭遇。 「あっ、いた。クマが走ってる」 あとを絶たないクマの目撃情報…この夏、各地でクマによる人身被害も多発しています。

■目撃情報“3倍” 住宅街にクマ痕跡

今月、去年の同じ時期と比べて約3倍のクマの目撃情報が寄せられている秋田県。 「来た!来た!来た!来た!こっち!こっち!」 夏を迎え、増え続けるクマの目撃情報。現在、県内全域に『ツキノワグマ出没警報』を出して警戒を呼びかける一方で、人への被害も… (草薙和輝アナウンサー)「21日午前5時前、北秋田市内のこちらの畑で作業をしていた75歳の男性が体長およそ1.5mのクマに突然、後ろから襲われたということです。」 (被害者の家族)「顔、首から上が酷いので、(自宅まで)トラックを自分で運転してきて叫んだので、行ってみたらもう…救急車呼んで」 Q.なんとか一命は取り留めたと? 「はい…」 男性は頭などに大けがを負い、ドクターヘリで搬送されたといいます。秋田県内での人身被害は、今年3件目となります。秋田市内では… (クマに侵入された住民)「その辺で(クマが)こっちに向かって来たんですよ。怖くて、びっくりして、最初犬だと思ってハッと思ったらクマだったので」 別の住宅には… (山本将司ディレクター)「こちら秋田市内の住宅街なのですがこちらの家には、クマの足跡のようなものが複数付いているのが分かります」

■「川沿いに…」 出没ポイントに共通点

クマは、どのような経路で市街地に来るのでしょうか?専門家は目撃情報からあるポイントに注目しました。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「おそらく川沿いを下りてきた。河川沿いがちょうど草が繁茂していて、移動しやすい状態になっています」 秋田市内を巡る河川に、クマの目撃地点を合わせると確かに川の近くに多くの目撃ポイントが点在しているのが分かります。周辺の安全を確保し、目撃ポイントに行くと… (岩手大学 山内貴義 准教授)「川がすぐ隣なんですけど、草刈りとか手が行き届かないような感じなっている。だいたい50cmあれば(クマの)姿が完全に隠れちゃうと言われている。(クマが)歩いて来るのは十分可能かなと思います」 今月12日、北海道・福島町で新聞配達員を襲ったクマが駆除された現場近くの川にもクマの足跡が発見されています。 川や水路を移動するクマの姿は、全国で目撃されています。専門家は、都市部でもクマ出没の可能性はあると警鐘をならしています。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「実は東京とかも多摩川とかもそうですね、結構河川敷が広くて実は整備しきれていない場所があるので…ここ数年のアーバンベアの状況を見ていると警戒レベルを上げていく必要がある」

■山中のエサ腐り街へ… 「8月も増加」

なぜ、各地でクマの出没が相次いでいるのか。その理由は、森を見ればわかるといいます。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「あ、これですね。これ桑ですね。」 至るところに生えている桑の木。本来は3cmほどの甘い実が付きますが… (岩手大学 山内貴義 准教授)「こう白く、腐って…」 ほとんどの桑の実が腐っていました。触ってみると… Q.もう固いですね。かめるものではないですね。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「果実という感じではないですよね。白っぽくなっちゃうのはやっぱり病気みたいなんですよ。梅雨にもかかわらずものすごい高温状態が続いて、そういったことが原因じゃないかと。やっぱり7月は結構これ(桑の実)にクマが依存して、山にいっぱい群生しているので。」 猛暑により山にエサがなくなり、腹をすかせたクマが街へ降りてきているといいます。熊への警戒はいつまで続くのでしょうか。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「8月がクマにとっては一番試練の時で、山のエサもほとんどなくなって。なのでどうしても(エサを求めて)行動域が広くなる。」 Q.今でも毎日のようにクマが出ていますが? (岩手大学 山内貴義 准教授)「増えると思います。8月はやっぱり増えていくと思います。」

7月27日『有働Times』より

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