■余命宣告後“拾った男”に判決
6日午後2時、仙台地裁に現れた末永拓也被告(43)は、ゆっくりと証言台に歩いて行き、判決を待ちました。
事件では、被告に起きた運命のいたずらがありました。
事件当日、末永被告はがんの再発が判明し、余命2カ月から3カ月と宣告されていたのです。
ところが病院からの帰り道、思わぬ出来事が転がり込みます。
現金を輸送していた警備会社が落としたバッグを偶然拾ったのです。バッグを開けてみると、中には現金2200万円が入っていました。
末永被告 「神様からの贈り物だ」
このうちの1800万円で伊勢旅行に出かけ、海外旅行でベトナムにも出掛け、がんの治療も行ったということです。
宣告された余命を超えた7月、末永被告は逮捕されました。
遺失物横領の罪に問われた裁判で、検察側は拘禁刑1年を求刑していました。
今月6日の判決で裁判長は、末永被告が月3万円ずつ返済していることについて。
裁判長 「今後50年以上の長期にわたり毎月3万円ずつ弁済していくのは、現実的に履行できるか疑いがあると言わざるを得ない」
また、2200万円を拾ったのが余命宣告直後だったことについては。
裁判長 「余命宣告を受けて自暴自棄になっていたという事情があったとしても、酌むべき程度には限度がある。犯罪歴がないことなどの情状を十分考慮しても執行猶予が相当の事案とは言い難く、実刑は避けられない」
拘禁刑6カ月の実刑判決を言い渡しました。
「分かりましたか」と聞かれ、何度もうなずいたという末永被告。余命宣告から5日でちょうど8カ月となりました。