今回の豪雨では、地元の企業も大きな被害を受けました。倉敷市真備町で、再スタートに向けた動きを取材しました。
(記者) 「竹を使った製品を特産品にする真備町では、今回の水害で地元の産業にも影響が出ています」
竹の町・倉敷市真備町。服部地区では、竹を使った家具メーカー「テオリ」にも水が押し寄せました。ショールームが水没し、多くの商品が被害をうけました。
(テオリ/中山正明 社長) 「もう言葉が出ないですよね。ぐちゃぐちゃなもんですから。どっから手をつけようかなと思って」
竹を切ったり、削ったりする機械も被害を受け、現時点で9台が修理不能と分かりました。
(テオリ/中山正明 社長) 「ランニングソーといいましてね 数値制御で切ってくれる(竹を)切る機械です。切断機です。コンピューターが だめになったのと…。これさえ替えればよいのならまだ復活するんですけど、2トンの材料がこの上にドカンとのってね、フレームがねじれとんです。こりゃ直らないなって…」
被害総額は少なくとも2億円以上。年間売上およそ5億円のテオリにとって深刻な金額です。
(テオリ/中山正明 社長) 「お金がどうのこうの言うよりは、銀行さんもきょう来ていただいて融資するよと言うてくださっとんで、融資をお願いして、機械は先行で手配しましたのでね」
中山社長は同じ真備町の工務店に向かいました。社屋の修理を依頼するためです。ただ、工務店の側も本社が水没し、建て直しを図っている最中です。
「いつごろから(工事に)入ってもらえる?盆明けに工場を稼動させようと思よんですよ」 「まず事務所を 事務所を稼働させんことには、どうにもならん…段取りします」
地元企業が助け合います。
テオリは現在、どうにかネットがつながる2階の部屋で取引先の対応にあたっています。
(テオリ/中山正明 社長) 「ここもね、3日前ぐらいから、ネットができだしたばっかしなんです。まだまだメールも見えてないのが現状で、もう300通くらいたまって」
見積りなど、大事な書類も多くが水に浸かりました。
(テオリ/中山正明 社長) 「ひっついてしまってこんな感じ」 「(Q.乾かされたんですか?)そうです」
そんな中、温かい声もありました。
テオリに家具を発注した9月オープン予定の福岡県のホテルが、商品が届くのを待つため、オープンを最大4カ月ずらしてもいいと連絡してきました。
(テオリ/中山正明 社長) 「ありがたいですね。そんなこと言ってくださってね。通常でしたらもうの商品に変えてもオープンするじゃないですか。いっぱい家具なんてあるわけですから、それを竹にこだわって使ってくださるのは、感無量ですね」
周りの支援を得ながら、再スタートの準備が続きます。