開幕戦まであと9日となったJ2・ファジアーノ岡山。悲願のJ1昇格へ、今シーズン11人の新戦力を補強しました。その中でもひと際異色の経歴を持つ「ルーキー」をご紹介します。
今シーズンファジアーノに加入した杉山耕二選手。
正確なキックが持ち味のディフェンダーですが、加入発表時に掲載された入団コメントの長さがサポーターの間で話題になりました。他の選手は3行ほどにまとめるところを実に34行、1300文字を超えました。
(ファジアーノ岡山/杉山耕二 選手)
「もっとコンパクトに自分の思いを伝えられればよかったんですけど……不器用なもんで」
これには大学時代からの知り合い、2年目の木村選手も……
(大学時代からの知り合い/木村太哉 選手)
「履歴書かなと思った。情熱を持ったいいやつです」
2022年で24歳を迎える杉山選手。プロに至るまで異色の経歴を持っています。
大学時代は名門・早稲田でキャプテン。大学屈指のディフェンダーとして活躍しました。
(大学の1年後輩[ルーキー]/田中雄大 選手)
「本当にキャプテンシーがある。スギくんのようなキャプテンを目指していた」
しかしそんな杉山選手は大学卒業後、サッカーを離れる決断をしました。
(ファジアーノ岡山/杉山耕二 選手)
「大学に入った時に、大学3年までに具体的なオファーだったり話が無かったらサッカー選手はあきらめようというのを決めていて、(3年の3月に)プロの練習参加をさせてもらったんですけど、自分自身の能力だったりに自信が持てなかったというか覚悟が決められなかった」
卒業後は一般企業に就職。しかし、すぐに湧きあがってきたのはサッカーへの正直な思いでした。
(ファジアーノ岡山/杉山耕二 選手)
「いざ働いてみると、これは自分自身の甘さだったり弱さだったりするのかもしれないですけど、泥臭い部分も想像以上に多くて頑張れない自分が嫌だったっていうか。ちょっと言葉がきれいかもしれないですけど、自分自身の人生に納得したいっていう思いもあって、もう一回チャレンジして燃え尽きた状態で次のステップに進まないと、僕自身これから先の人生が見えなくなった」
その後会社を辞めて、5部に相当する関東リーグの東京ユナイテッドに加入した杉山選手。地道に練習を重ね、ファジアーノからのオファーを勝ち取りました。
(ファジアーノ岡山/杉山耕二 選手)
「本当にうれしかったです。自分の思いを含めて尊重してくださった結果だと思うので」
回り道の末、辿り着いた夢舞台。その夢の先へ、杉山選手の挑戦は始まったばかりです。
(ファジアーノ岡山/杉山耕二 選手)
「自分自身、社会人をやっていて、またもう1回こうやってJリーグにチャレンジする機会をいただいたっていうこともあって、感謝っていうのも表現したいですし、自分が生き生きと情熱を持って100%サッカーに取り組む姿勢というのも表現していければ」