ペットとの共生を目指す、岡山・総社市長肝いりの条例案を、議会は全会一致で否決しました。居なくなったペットの捜索に市が協力することなどを盛り込んだこの条例案。否決の理由は?
条例案では「ペットは家族の一員」という理念のもと、災害などで市が避難所を開設する際にはペットとともに避難できるスペースを設けること、また行方が分からなくなったペットの捜索に市が協力することなどが盛り込まれています。
この条例案について市民は――。
(総社市民[30代])
「災害の時とか優先度が低くなると思うが、家族の一員なのでそういうのはいいこと」
(総社市民[60代])
「あまりペットは関係ないので、どっちでもよかった」
12月21日、11月定例の総社市議会が最終日を迎え採決が行われました。
(総社市議会/村木理英 議長)
「異議なしと認めます。よって本件は委員長報告の通り否決されました」
条例案は全会一致で否決されました。
否決した経緯について総社市議会の村木議長は――。
(総社市議会/村木理英 議長)
「条例制定する場合、いろんな不都合が出てくる可能性があるところが決議の経緯と思う」
議員からは「条例にペットの避難所設置を明記することで、人命救助などに制約が生まれる恐れがある」「職員に負担がかかり過ぎる」などの意見が出たということです。
そして、条例を定めず、現状のまま臨機応変に対応するべきだという判断に至ったということです。
(総社市/片岡聡一 市長)
「悔しいです。残念です」
条例を提案した総社市の片岡市長は、豪雨災害の時にペットの避難所を設置しようとしたところ現場が混乱した経験から、条例で明文化するべきだとしています。
(総社市/片岡聡一 市長)
「全国どこの市も、このようなケースで現場で混乱が起こるのでそれを払拭したい」
総社市は今後も、ペットの避難所については状況に応じて対応するということです。