防災に関する話題を紹介する「こつこつ防災」。今回は「ペット」の「防災」についてお伝えします。
2020年のペットフード協会の調査では、日本では犬や猫を飼っている世帯がそれぞれ10パーセント前後いました。ではもしもの時ペットはどうするのか…皆さんは一緒に避難する準備、できていますか?
その避難所、ペットを連れて行っても大丈夫?
防災士の武田優さんは災害時の人とペットの安全確保などについて考える「人とペットの防災ラボ」の理事長を務めています。
ペットを飼っている場合、災害時にまず困るのが避難する場所です。
(防災士/武田優さん)
「東日本大震災の時にはまだ何もされていない時期でして、ペットは置いていきなさいということを言われて置いていったがために、あとあとケアが大変だった」
2011年の東日本大震災ではペットを残して避難したり、避難先に動物が苦手な人がいたりして、対応に困ったケースが報告されました。
これを受け、環境省はペットと一緒に避難することを想定したガイドラインを作りました。
ただし、ペットと避難できる避難所はまだ多くはありません。
(防災士/武田優さん)
「飼い主さん自身も連れて行っていいか分かっていないと思いますし、受け入れる側も犬猫が来るそこまで想定できていない、2つの問題があると思います」
2018年の西日本豪雨の時には、ペットと一緒にいることが被災者の心のケアにもつながると、倉敷市などがペットと一緒に生活できる避難所を開設しました。
いざペットと一緒に避難、必要なものは?
では、いざペットと一緒に避難する場合どうすればいいのでしょうか……
(防災士/武田優さん)
「小型犬の場合でしたら、スリングタイプを使うことで、両手を開けることができます」
抱えられる場合は避難先でも使うケージと一緒に移動することが大切です。
一方、抱えることが難しい大型犬の場合は一緒に歩いて避難します。
この時、犬用の靴をはかせることでケガを防ぐことができます。
(赤木アナ)「結構頑丈ですね」
(武田さん)「災害の時にガラスとかがありますので(足を)保護するためのものになります」
さらに、浸水が予想される災害の場合はペットにライフジャケットを着せておくといいそうです。
(防災士/武田優さん)
「いろんな災害の種類によって変わってくると思いますので、こういったケースはどういった避難をするというのを最初から家族内で話し合っておくべきだと思います」
ここまでは国のガイドラインを紹介しましたが、観音寺市もペットの同行避難マニュアルを作成しています。
その中ではペットの受け入れが可能な避難所を公表しています。このように公表している自治体はまだ多くありませんが、武田さんはペットを飼っている人が自治体に問い合わせるなど積極的に動くことが大切だと話していました。