岡山県吉備中央町の浄水場から国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出された問題です。有機フッ素化合物の血中濃度について、一部の町民の平均値が、2021年に国が行なった検査の平均値の約80倍だったことが分かりました。
この問題は、2020年から2022年までの3年間、吉備中央町の円城浄水場から国の暫定目標値を大幅に超える有機フッ素化合物、PFASが検出されたものです。
円城浄水場の給水区域に住む27人が専門機関に血液検査を依頼し、その結果について京都大学の小泉昭夫名誉教授が説明しました。
それによりますと、PFASのうちの1つ、PFOAの血中濃度が、1mlあたり平均で171.2ngでした。
2021年に国が119人を対象に実施した血液検査では、PFOAが1mlあたり平均で2.2ngだったため、80倍近い数値です。
小泉名誉教授によると、アメリカでは腎臓がんなどのリスクがあるとする基準は1mlあたり20ngで、27人全員がこの数値を超えているということです。
検査の結果を踏まえ、住民らの有志の会は山本雅則町長に対し、希望する住民全員の血液検査や不安に寄り添う相談窓口の設置などを求めました。