果物などに被害を及ぼす「カメムシ」が大量発生しているとして、岡山・香川に注意報が出ています。普段の生活での対策はLEDライトだそうです。
(記者リポート)
「夜の間に明かりに集まる虫を採取する装置になります。下にボックスがあって虫が集まるんですが、5月11日には何とこれだけ採取できました、ぱっと見てもカメムシ多いのが分かります」
香川県の農業試験場、府中果樹研究所で一晩に捕獲された虫たち。この中の約200匹がカメムシでした。
香川県が4月下旬に行った調査では、4種類のカメムシが合わせて平年の94倍、特にツヤアオカメムシは平年の282倍確認されました。
カメムシは気温の上昇とともに活動が活発になり、モモやウメ、アンズ、ナシなどの果汁を吸います。
香川県は被害が懸念されるとして5月1日、全域に「病害虫発生予察注意報」を発表しました。
岡山県の調査でも、チャバネアオカメムシが平年の2倍以上確認されたため、5月10日、岡山県全域に注意報が発表されました。
カメムシ大量発生の注意報は5月に入って関西や九州、関東でも相次いで発表されています。
(香川県農業試験場 病害虫防除所/長尾洋輝 主任技師)
「今の時期に発生する虫は越冬、冬を越したものが出てくるんですけれど、暖冬の影響で前倒しで出てきているのではないか」
香川県農業試験場の長尾さんによると、カメムシは7月から8月にかけて産卵期を迎え、世代交代をします。生まれたカメムシは約1カ月で成虫になります。
冬場は寒さをしのごうと、暖かい民家などに入り込んでくる場合もあります。
またカメムシの主食は6月下旬ごろに実ができるスギやヒノキですが、今の時期は果樹園などに現れ、モモなどの果汁を吸うことが多いということです。
(府中果樹研究所/生咲巖 主席研究員)
「藪や木の近くではですね、カメムシが飛んできて、モモの果実を吸って被害が出ております」
(香川県農業試験場 病害虫防除所/長尾洋輝 主任技師)
「(モモ・ウメ・アンズなど)核果類と呼ばれる果物は、今ちょうど実ができているシーズンですので、防除、農薬散布、袋掛けで対策ができますので早めの対策をお願いしたい」
また、カメムシはくさいにおいを出す「不快な害虫」としても知られています。
住宅での対策法を聞きました。
(香川県農業試験場 病害虫防除所/長尾洋輝 主任技師)
「カメムシ自体が夜行性で、紫外線に寄ってきている傾向があるので、白熱灯であるとか蛍光灯に比べるとLEDライトの方が紫外線の量が少ないので、取り替えていただくことで寄ってくる量が減ることは考えられる。たたいたりとかすると異臭を出しますので、落ち着いてティッシュやほうきで優しく捕まえて、それを静かに外に逃がしていただくのが一番かな」