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「死んだふり」したオスのゾウムシが「目覚める」のはメスのフェロモンの存在 琉球大・岡山大の研究チームが発表

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 琉球大学農学部の日室千尋博士と岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(農)の宮竹貴久教授の研究チームは12日、オスのアリモドキゾウムシがメスのフェロモンにより「死んだふり」から覚醒することを世界で初めて発見したと発表しました。

 研究成果は、日本動物行動学会の国際学術雑誌「Journal of Ethology」に掲載されました。

 刺激を受けると動かなくなる「死んだふり」行動は、哺乳類から昆虫類まで様々な生き物に見られる現象です。日室博士らは、アリモドキゾウムシをピンセットではさんで「死んだふり」状態にし、様々な個体と同居させて、回復するまでの時間を調べました。

 その結果、オスが「性成熟したメス」と同居した場合、20分で約9割が回復したのに対し、「性成熟していないメス」や「性成熟したオス」と同居した場合は4割にとどまり、有意な差があったということです。

 また、オスを「メスの性フェロモン」と同じ化学物質にさらしたら、約3分以内に100%が回復し、他の化学物質にさらした場合に比べて大きな差が出ました。研究チームは、メスの性フェロモンがオスの死んだふりを解除する重要な要素であることを世界で初めて明らかにしたとしています。

 アリモドキゾウムシはゾウムシの1種で体長約6mm。日本ではトカラ列島以南の南西諸島や小笠原諸島に分布しています。サツマイモを食べる害虫として知られ、研究チームでは「防除戦略を考える上で今回の研究が役立つ可能性が高い」としています。

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