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【特集】自転車トラック競技・太田海也選手と長迫吉拓選手 競技転向でつかんだパリ五輪への切符 岡山

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 開幕まで1カ月を切ったパリオリンピック。自転車・トラック競技には岡山県出身の2人、太田海也選手と長迫吉拓選手が出場します。この2人、それぞれ別競技から転向して夢舞台の切符をつかんだんです。

味わった挫折…全てを力に

 岡山市出身、自転車トラック競技の太田海也。スプリント、チームスプリント、ケイリンの3種目に出場する太田は、2024年の国際大会で優勝するなど、パリでもメダル獲得が期待されています。

(岡山市出身/太田海也 選手)
「自分にできることを一つ一つやって当日を迎えたらいいのかなと。すごく短い期間ですけどやれることをやって迎えたい」

 KSBは7年前、太田が高校生の時に取材していました。その時の競技は自転車ではなく、ボート。高校3年の時にインターハイで優勝していて、ボートで東京オリンピックを目指していました。

(岡山市出身/太田海也 選手 [当時高3])
「メダルを取ってボート自体を有名にして注目を浴びたい」

 しかし、東京の大学に進学後思うような結果が出ず、わずか7カ月で退学。挫折を味わいました。

(岡山市出身/太田海也 選手)
「自分が目指している場所と自分の実力が伴わなくなってモチベーションがすごく落ちていて、自分の中では燃え尽き症候群、オーバーヒートしていった」

 大学を辞めた後、岡山に戻った太田。アルバイトとして働いたサイクルショップで自転車と出合い、競輪選手を目指すことになりました。

 2021年に競輪の養成所に入ると、その2年後に全日本選手権で3冠。瞬く間にトラック競技のトップ選手に成長しました。

(岡山市出身/太田海也 選手)
「何も経験せず最初から自転車競技に出合っていたら自分の弱い心の部分や弱い持久力の部分が強化されずにここまで来たのかなと思うので、挫折したボートだったり自転車ショップで働いた期間も筋肉と一緒くらい高いレベルで実力に変わっているのかなと感じています」

メダルをつかむため…競技変更

 その太田と「チームスプリント」で共に出場するのが、笠岡市出身の長迫吉拓。

 長迫は2016年のリオ、2021年の東京とBMXレーシングでオリンピックに出場しました。そして今回、自転車トラック競技に転向して3大会連続のオリンピックをつかみました。

(笠岡市出身/長迫吉拓 選手)
「集大成というか年齢的にも実力的にも今回が最後になると思うので、しっかり全力を出したい」

 そう語る長迫、実は前回の東京オリンピックですでに引退を考えていました。

(笠岡市出身/長迫吉拓 選手)
「東京オリンピックが終わるまでは地元の笠岡に戻ろうかなと思っていたんですけど、メダルを取っている人を見ると、やっぱりオリンピックはメダルを取りに行くところで、行くだけでハッピーではないと感じて」

 2回届かなかったメダル。それをつかむために選んだのが競技の転向です。

(笠岡市出身/長迫吉拓 選手)
「可能性としてあったのがトラック競技の『1走』、そこだったらもう1回オリンピックに懸けられるんじゃないかなというのがあったので、オリンピックのメダルのためにやっているっていう感じです」

 メダルに最も近いと判断したのは、個人競技ではなく、3人1組で行うチームスプリント。見事、代表に選ばれました。

 チームスプリントは3人同時にスタートし、1周走るごとに先頭の選手が抜けていきます。そして最後に残った3人目の選手が3周目を走り切るまでを競います。長迫が務める「第1走」は1周250mのみを走ります。

 求められるのは「スタートダッシュ」。大きく先頭に飛び出し、後ろ2人がスピードをつけた状態で走れるようにするのが役割です。

 実はこのスタートダッシュに、BMXでの経験が大きく生きています。

(笠岡市出身/長迫吉拓 選手)
「スタートはフィジカルも大事だけどテクニックの方がもっと重要。体重移動で自転車を進ませるところが重要になってくる。そこがBMXレーシングをしてきたのがよく生きている」

 本格的な競技転向から3年。今では世界トップクラスのスタートを身につけ、メダルに手が届く位置まで来ました。

(笠岡市出身/長迫吉拓 選手)
「毎回毎回(目標は)メダルと言いつつ全くそこに近くなかったので、今度こそは笠岡にメダルを持って帰りたい」

 別競技を経て日の丸を背負った2人。地元・岡山に吉報を持ち帰ります!

(岡山市出身/太田海也 選手)
「SNSを通じて(地元からの応援が)届いていたり、地元のパワーを感じて練習に取り組めているのですごくありがたい」

(笠岡市出身/長迫吉拓 選手)
「海也も岡山なので、そうすればメダルが2個になると思うんで(岡山に)メダルを持って帰りたいと思います」

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