2023年7月、岡山市の岡南飛行場の滑走路に進入中のセスナ式小型機のエンジンが停止したトラブルについて、「重大インシデント」として調査していた国土交通省の運輸安全委員会は、2024年9月6日、報告書を公表しました。
小型機は操縦士技能資格のための訓練中で、訓練生(48)と教官(41)ら3人が乗っていました。約2時間の飛行のあと、着陸するために滑走路に入ろうとしたところエンジンが停止し、教官が操縦を代わってエンジン停止のまま着陸しました。けが人はいませんでした。
報告書によりますと、機体およびエンジンの不具合は認められませんでしたが、燃料残量が少ない状態で不均衡な姿勢で飛行するとエンジンへの燃料の供給が減少するとともに、燃料配管に入った空気が燃料の流れを妨げた可能性が考えられるということです。
教官は訓練中、訓練生の飛行に横滑りが生じていることに気付いていましたが特に気にせず、着陸時にも燃料計を確認していなかったということです。
小型機を所有する岡山航空はトラブル発生後、燃料の少ない状態で不均衡な姿勢で飛行するとエンジンが停止する可能性があることを記載したインフォメーションを配布して注意喚起し、翌月には訓練中の最低燃料を定めて、燃料が下回った場合は訓練を中断して着陸することなどを決めています。