本格的な夏の訪れを前に、小・中学校で続々とプール開きが行われています。一方で、2026年から水泳の授業で実技を廃止した中学校もあります。
高松市多肥上町の多肥小学校では8日、プール開きをしました。このクラスでは2026年初めての水泳の授業です。
児童らは浮いたり潜ったり、みんなで「流れるプール」を作ったりして楽しんでいました。
(児童は―)
「めっちゃ楽しかった」
「友達と泳いだところ(が楽しかった)。クロールができるようになりたい」
多肥小学校では7月中旬まで水泳授業が行われます。
一方、丸亀市の飯山中学校では2026年から水泳の授業で「実技」をやめ、座学指導のみとなりました。
(飯山中学校/末澤和士 教頭)
「最初は本当に戸惑いがありました。泳力をあげるだけではなくて、やはり命に関わるところもあるので、浮くこととか潜ることとか体感させて教えられないっていう不安は少しあります」
実技の廃止を丸亀市教育委員会が決めた理由の一つは「費用」です。
飯山中学校のプールは1974年に設置され、修繕工事をしながら使い続けてきました。しかし、プールの老朽化が進んでいて、大規模な改修には莫大な費用がかかります。
(丸亀市教育委員会/髙木康弘 課長)
「プールのろ過器を入れ替えるとなると2000万円、プールの槽を入れ替えるとなると1億かかるということになりますので」
また、「暑さ」に対する安全の確保も大きな理由です。
(丸亀市教育委員会/髙木康弘 課長)
「最近は紫外線のこともあるので小学生ラッシュガードを付けて泳いだりとか。プールサイドもかなり高温になりますので、気が付いたら足の裏やけどしていたっていうこともありますので、(以前よりも)色んな配慮すべきことっていうのはかなり増えてきているかな」
丸亀市では2026年、飯山中学校から実技を廃止し、大規模改修が必要な中学校から順次、切り替えています。
小中学生ら168人が犠牲となった連絡船「紫雲丸」の沈没事故をきっかけに必修となった「水泳授業」。飯山中学校の深見明香利体育主任は7月から始まる座学授業のカリキュラムを急ピッチで作っています。
(飯山中学校/深見明香利 体育主任)
「苦手な子からすると、ICTとか使っていても、体の使い方も結局分からないまま、見て終わってしまうっていうことが授業の中で起きてしまうんじゃないかな」
丸亀市では今後も小学校では実技授業を続けていく方針です。
香川県の水泳授業はどうなる?
全国的に水泳の授業を座学のみに切り替える学校が増えてきています。
香川県では多度津町、琴平町がすでに座学のみなっていて、2026年から丸亀市の飯山中学校が加わりました。いずれも小学校では実技授業をしています。
また香川県の各市町の教育委員会に今後の実技授業について「続ける方針」「やめる方針」「どちらも決めていない分からない」の3択で聞きました。ほとんどの市と町が「続ける方針」としています。
「どちらも決めていない/分からない」と回答した土庄町は「暑さによる中止が相次ぐなら座学で計画的に教えたい」、また、三豊市と綾川町は「老朽化への対応などこれから検討していく」と話していました。
老朽化の進み具合や気象状況の変化によって方針も変わっていくとみられます。
一方で、紫雲丸沈没事故のように水難事故はいつ起きるか分かりません。命を守るための教育をどのような形で続けていくか、今後の課題となっています。