首都圏で相次いでいる強盗事件。2日、新たに東京・葛飾区で、住人の男性が縛られ、現金が奪われる事件が起きました。現場にいた男1人が現行犯逮捕されましたが、ほかに複数人がいまも逃走しています。(11月2日OA「サタデーステーション」より)
■現場からは複数人が逃走
報告・手塚慶二朗ディレクター(2日 東京・葛飾区) 「いま現場となった家のすぐ目の前にある防犯カメラを捜査員が確認をしています」
また都内で強盗事件が起きました。午前11時ごろ、東京・葛飾区東水元の住宅で、粘着テープで縛られた70代の男性が見つかりました。男性は、出血を伴うケガをしていますが、意識はあるということです。
目撃した近隣住民 「消防車や救急車とか、覆面のパトカーとかすごかったから、何があったんですか?って聞いたら、お巡りさんが強盗だって…」
警視庁は、現場近くで奪った現金などを持っていた住所不詳の自称・山内裕太容疑者を現行犯逮捕しました。
自称・山内裕太容疑者(29)の供述 「ツイッターで知り合った人から、空き巣に入るよう指示された」
目撃した近隣住民 「(髪型は)真ん中分けで身長は170センチあるかないかくらい。大人しそうな子でマスクをしていた」
他にも複数人いて、警視庁が行方を追っています。
■相次ぐ事件で高まる警戒
先月30日、東京・三鷹市でも強盗未遂事件が発生。実行役とみられる佐圓昌紀容疑者は逮捕されていますが、他の実行役は、今も逃走中です。2日、三鷹市に隣接する武蔵野市ではパトロールを強化していました。
パトロール隊 「ノートを見ながら徘徊しているという不審者が情報が入っていますので、ご注意下さい」
武蔵野市は警察と連携し、SNSでも不審者情報を発信。1日だけで4件も情報が寄せられています。
武蔵野市在住の女性 「お年寄りはXとか、SNSをお使いの方が少ないというか、利用ができにくいので、口頭でとかアナログな方法が伝わりやすいので…」
■“リクルーター役”初めての逮捕
8月以降、首都圏で相次ぐ強盗事件。これまで実行役は30人以上逮捕されています。そんな中、2日、新たな動きが。先月、埼玉県所沢市で発生した強盗事件の“リクルーター役”として2日、名倉優也容疑者を逮捕。一連の強盗事件で“リクルーター役”が逮捕されたのは初めてです。
“リクルーター役”名倉優也容疑者(31)の供述 「人を紹介する仕事をした。金に困ってやった」
“リクルーター役”の逮捕は大きな意味があると専門家は指摘します。
元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之氏 「今までの単なる実行役だとかとは違って、指示役だとかに近いメンバーではあるとは思います。うまくすれば指示役までたどり着けるんじゃないですかね」
■不審な訪問者にどう対応?
一連の強盗事件で共通しているのは、事件前に現場付近を回る「不審な訪問者」です。2日に発生した東京・葛飾区の強盗事件でも「瓦の業者を名乗る」など不審な訪問があったといいます。
事件現場近くに住む女性 「瓦が剥がれていて水漏れしてしまうから、それを修理した方がいいですよとか。要するに家の様子、1人住まいなのか家族がいるのか、そういうのを伺っているのかな」
もし、自分の家に来たらどう対応すればいいのでしょうか。
元神奈川県警捜査一課長 鳴海達之氏 「これはもう絶対玄関に入れちゃダメですよ。 インターホンあるならインターホンだけの対応。『あなたはどこの誰なの』と、会社と名前を聞いて、『会社に電話して聞いてみるよ』って言えば、もう関係なきゃ帰っちゃいますよね。帰ったら警察に通報して下さい」
■手口に相違点も 相次ぐ事件の関連性は
高島彩キャスター 「今週に入ってからも強盗事件が相次いでいますが、一連の事件に関連性はあるんでしょうか」
板倉朋希アナウンサー 「今週水曜日に三鷹市で起きた事件と、きょう葛飾区で起きた事件、この2つについてはいずれも高齢者の住宅が狙われました。一方で、きのう起きた千葉県市原市の事件は、現場がホテルで、被害者の50代の女性は手首を縛られ、首を切られた状態で発見されました。そして精算機が壊されて防犯カメラにはタオルが巻きつけられていました。この3つの事件の関連性ですが、元神奈川県警の鳴海達之さんによりますと、三鷹と葛飾の事件については、いずれも高齢者住宅で複数人の犯行。そして暴行を加えるなどの手口に共通点があるということで、関連している可能性は大きいのではないかということです。一方で千葉県市原市の事件については、刃物で首を切っているとうこともあり、殺意を持っての犯行なのではないか。防犯カメラもタオルで隠したりしていたので、計画的な面もうかがえると。もちろん100%とは言えませんが、市原の事件については一連の強盗事件との関連は薄いのではないかと鳴海さんはおっしゃっています」
高島彩キャスター 「関連があるかは分かりませんが、いずれにせよ凶悪な事件が相次いでいますね」
ジャーナリスト柳澤秀夫氏 「今回の事件、『殺意を持って』という部分ですが、脅しているうちに切りつけて殺害してしまったのか、最初から殺すつもりだったのはまだ分かりませんから、いずれにしても犯行グループがターゲットを変えてきている可能性もあると思うんですよ。これまでの戸建てから、1人で夜間勤務するところに。とにかく犯罪者グループは『先を先を』ときていますから、我々の警戒も先を見た警戒が必要になってくるかもしれないですね」
高島彩キャスター 「防犯に対する意識というのも、今までより1段も2段も上げていかないといけないですね」