17日、投開票された兵庫県知事選で逆転勝利を収めた斎藤元彦氏(47)。「全面対決」となっていた県議会は今後、どう対応するのでしょうか。番組では不信任を突き付けた県議に話を聞きました。
■一夜明け「SNSがすごく重要だった」
ひょうご県民連合 上野英一県議 「あってはならんことになったなと」
兵庫県知事に返り咲いた斎藤氏。不信任を突き付けた県議は戸惑っていました。
上野英一県議 「斎藤さん自身が『今後、議会とは丁寧に』とか『職員との信頼関係の再構築』とか言ってるけど、それは可能なんだろうかと思う。特に職員との信頼関係の再構築はあり得ないのでは。職員自体も前回で嫌というふうになってるし」
一方、斎藤知事。再選から一夜明け、取材に応じました。
斎藤元彦氏 「少しまだ実感がわかない面もあります。特に草の根的にSNSで色んな方が自分で私の政策を整理していただいたりして、動画とか発信して拡散していただいたことも非常に斎藤の県政の政策を理解していただくうえですごく重要だったと思ってます」
投票率は前回を大きく上回る55.65%と高い関心を集めた今回の選挙。
斎藤氏はおよそ111万票を獲得。稲村氏に13万票以上の差をつけて圧勝しました。
先月1日、1人で街頭に立つ斎藤氏。道行く人は関心がなさそうに見えます。
当初は厳しい戦いになるとみられていましたが、選挙戦も終盤になると人だかり。わずか1カ月余りのうちに何が起きたのでしょうか。
70代 兵庫県民 「僕らはSNSとか分からないけど怖い。あんなふうに広がっていったらアイドルみたい。若い子がSNSを見て妻も真に受けた。『斎藤さんが良い』と言っていた」
若者を中心に支持を拡大させた大きな要因が、SNSを活用した斎藤氏の戦略です。
斎藤氏のエックスのフォロワーは21万人。2位の稲村氏を大きく上回っています。さらに、失職後にはユーチューブチャンネルも立ち上げ発信。
他にも「チーム斎藤」という2000人ほどのライングループも立ち上がり、街頭演説などがSNSで拡散されたといいます。
斎藤氏に投票 19歳 「自分は全然興味がなかった正直。でもお母さんとかが斎藤さんはすごいよと言った。調べてみたら斎藤さんはすごい」
斎藤氏に投票 60代 「SNSであったり貫き通した信念。普通はもう無理じゃないですか。でもあそこの信念っていうか、本当にすごいと思った」
大きな勝因となったSNSについて斎藤氏は…。
斎藤元彦氏 「私、Xを始めた時はあまり好きじゃなかった。コメントが誹謗(ひぼう)中傷ばかりだったから。だけど今回、SNSの力ってすごいと思った」
斎藤氏は19日、登庁し知事に就任する予定です。
斎藤元彦氏 「県議会と県職員の皆さんとの関係をもう一度しっかり前に進めていくことが大事」
■斎藤氏“大逆転勝利” 県議のホンネ
かたや兵庫県の現役職員は複雑な胸の内を明かしました。
県職員(50代) 「(嫌なら)職員が辞めるしかない」
県職員(40代) 「多くの人は不安を持っているのでは」
19日、再び兵庫県知事に就任する予定の斎藤氏。県の職員からは聞こえてきたのは複雑な心境でした。
県職員(40代) 「議会の関係とかもあるからちょっと混乱というか。どうなんですかね。不安を持っている人いるんちゃいますかね」
県職員(50代) 「嫌だという話があるんだったら辞めるしかない、職員が。そこは色々あると思うんですけど、続けていくしかない。私も生活があるので」
これまで全面対決だった県議にも変化が見られました。
自民党 長瀬たけし県議 「斎藤さんはすごいなと、不屈の精神をお持ちだなと。不信任案にあらがって反対票を投ずることはできなかったが、心の中で斎藤さん頑張れと思っていた人はいたと思う。これからの県政運営は生産的な話ができるところは積極的に生産的に提案していきたい」
維新の会 中村大輔県議 「兵庫県自体が混乱する状況に陥ったので、いったんは辞職していただいて、出直し選挙をしていただければという思いで9月に辞職を申し入れた。(再選は)順当だったと考えている。議員のなかの話し合いが近々あさってあるが、方針はないし、私個人としては今までのような形で連携を取れるのでは」