今シーズン一番の寒さとなった列島。冬将軍の到来に「歓喜する街」がありました。
■“冬将軍到来”雪景色の北海道
季節外れの暖かさが去り、ようやく冬将軍の到来です。
上空に強烈な寒気が流れ込んだ18日。北海道・小樽では市街地でも雪が降り始めました。
10日前はクルーズ船で紅葉鑑賞を楽しめましたが、18日は雪などの影響で終日運休に。それでもせっかくの旅。北海道特産のソフトクリームを味わい、かじかむ手で思い出の一枚を残します。
東京から来た人 「(Q.写真を撮っていた?)(手が)真っ赤です」 「貼るカイロ持ってきたが、どこに付けていいか分からないくらい寒い」
観葉植物も寒さに耐えながら、と思いきや…。
札幌から来た大道芸人 「きょうは寒い。慣れなので厚着して耐え忍んでいます」
雪国ならではの備えもあります。
フットガード 山田恒代表 「雪用の滑り止めです」
3000円ほどで様々な靴に付けられる滑り止めスパイク。ここ数日で装着する人が増えていました。
山田恒代表 「またあしたから雪。(客が)ぐっと来るだろう」
■列島“一転”気温急降下で冬の訪れ
本州でも青森ではみぞれが降り、冬の訪れを告げています。
東京も冷え込みました。タンクトップ姿も見えた17日までの季節外れの暖かさから一転。17日から日中の気温は10℃ほど下がり、もう迷わず冬物の出番です。
50代の人 「きのうはTシャツだった。Tシャツ1枚でも汗ばんでいた」
40代の人 「(ダウン)初出しです。クリーニングのタグがさっきまでついていた」
寒さを歓迎する店がありました。上野にあるカフェ。一見何の変哲もないカフェですが…。
40代の人 「寒いから、きょう癒やされたいと思って」
足元は足湯です。人工温泉の足湯にセイロンティーやハーブティーがつき1100円。思わぬ日本の寒さだったのか、外国人観光客でにぎわいます。
フランスから来た人 「すごく気に入りました。最高です」
フィリピンから来た人 「フィリピンにはない店で、とてもユニークですね」
17日までの暖かさから一転、この寒さで一気に客足が増えていました。
もみの気ハウス 薬師寺文さん 「自分自身は寒いが、客は寒いと来るのでとてもうれしい」
■紅葉色付くも 大幅遅れにヤキモキ
急な冷え込みで紅葉は進むのでしょうか。
現在、「紅葉まつり」が行われている山梨県富士河口湖町は18日、最高気温が14.6℃とようやく平年並みとなりました。
大阪から来た人(20代) 「ちょっと肌寒いなって感じ」 「(赤ちゃんは)きょうは3枚ぐらい着込んで対策しています」
静岡から来た人(70代) 「私は寒くてひんやりしている時の紅葉が好き」
同じ赤色でも、色彩の濃淡で「グラデーション」を作り出すもみじの木。ただ、この木があるのは、祭り会場のなかでも標高が高いエリアです。
河口湖の周辺、特に祭りのメイン会場は、“色付き”が大幅に遅れていました。
見頃を迎えると、赤く染まったもみじが川と遊歩道を覆うように連なる「もみじ回廊」。10日ほど前、まだ青々としていたもみじは18日も一部で色付きを確認できる程度。もみじのトンネルが真っ赤に染まるのは、もう少し先になりそうです。
しかし、そうは言っても「紅葉まつり」は20日まで。関係者は今週の「急な冷え込み」に期待を寄せています。
近くの観光施設も準備万端です。
寒くなった分だけぐっと魅力を増す「湯気グルメ」。山梨名物の「ほうとう」を使ったほうとう担々麺です。
2年前に新たな町のシンボルとしてオープンした「旅の駅」では、地元食材を使った料理が冷えた体を温めてくれそうです。
旅の駅kawaguchiko base広報 土屋かなこさん 「これでグッと冷え込んで、色も期待ができる。お客様も増えるかなと思って楽しみにしている」
■季節外れ“イカ豊漁”に沸く函館
イカの街・函館。遅れていた主役がようやく届きました。町の特産品でもあるイカがようやく旬を迎えています。
取れたてぴちぴちのイカ、丸ごと1匹をぜいたくに使ったイカのどんぶり。
神奈川から来た人 「普段食べているイカより全然、弾力があって食べ応えがある」
鹿児島から来た人 「すごい歯ごたえ」
イカの街・函館。ただ今年は、まれにみる不漁に見舞われていました。
丸み佐藤商店 佐藤睦社長 「最近イカの街・函館って言われるけど、全然イカがないから。イカの街ではなくなってきている」
漁が始まった6月。名物スルメイカが記録的な不漁となっていました。ところがここにきて、遅ればせながらイカの街に活気が出てきました。
富田鮮魚店 富田和子さん 「きょう見ての通り客がすごい。食べていく人が多いから」
ここ数週間でイカが豊漁となってきている理由は海水温にありました。
佐藤睦社長 「ここ2週間ぐらい前から、水温のせいだろうね。水温が下がった」
海水温が低い場所に生息するといわれるスルメイカ。ここ数日、海水温も下がり、ようやく漁で取れる水深に上がってきたことも一因といいます。
今年6月のどんぶりに乗ったイカとここ最近のどんぶりと比べると魚体も大きいことが分かります。
遅れてきた街の主役に、地元も観光客も笑顔がこぼれます。
佐藤睦社長 「今、食べるのは逆に魚体も大きいし、食べ応えがある」
富田和子さん 「幸せだね。これが続くといい正月ができるかな」