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削除された「SNS運用フェーズ」投稿を検証 高額案件受注の会社社長がなぜ無報酬?

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選挙期間中のSNS運用をめぐり公職選挙法違反の疑いが指摘されている兵庫県の斎藤知事です。疑惑発覚後、ネットに投稿した内容を削除、修正しているPR会社社長。その分析から、見えてきたものとは?

■PR会社投稿 なぜ削除・改変したのか (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「【種まき】、【収穫】とかいう一覧表があったんですけど、まずそれが消えていることを見て、あれおかしいなって」 PR会社社長の投稿から突如消えた、いくつもの文章や図面。 (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「業務としてやっていたというところが消されちゃっているということですよね」 なぜ一度公開した後に、“削除や改変”をする必要があったのか。

きのう30日、斎藤知事の姿は神戸市の式典会場にありました。 (兵庫県 斎藤元彦知事)「誰もが希望を持って暮らすことができる街づくりに全力で取り組んでまいります」 取材の場は設定されたものの―。 「ただ本日は、大変申し訳ないんですけれども、こちらのキャンパスプラザのオープニングということで、その件に関する質問ということでお願いいたします」 選挙でのSNS戦略をめぐって、公職選挙法違反の疑いが指摘されている斎藤知事。この日は、そのことに触れることはありませんでした。

■主張食い違いPR会社側「私が監修者」 問題の発端となったPR会社社長の投稿がネット上にアップされたのは、知事選の3日後のことでした。 「今回広報全般を任せていただいていた」 「私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、などを責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました」 投稿からは、今回の知事選での広報全般やSNS戦略を会社の仕事として請け負ったように読めます。 公職選挙法では、SNSを利用した選挙運動への対価として、報酬が支払われていた場合は、買収罪が適用される可能性があります。この疑惑に斎藤知事は―。 (兵庫県 斎藤元彦知事)「公選法に抵触するようなことは私としてはないと認識しています。いずれにしても詳細は代理人に一任していますから」

■知事側は違法性否定投稿「盛っている」 この直後、知事が同席しない形で、代理人弁護士による会見が開かれました。 (斎藤知事の代理人 奥見司弁護士)「“SNS戦略”を依頼したということや“広報全般”を任せたということは事実ではありません。“盛っておられる”というふうに認識しております」 これは斎藤知事側が公開したPR会社からの請求書です。金額は71万5000円で、メインビジュアル企画・制作や、ポスターデザイン制作などの項目が書かれていますが、「広報」や「SNS」といった記述はありません。 一方で、PR会社社長の投稿には、オフィスで打ち合わせする写真が載っていて、斎藤氏の目の前のモニターには、「SNS戦略」という文字が映し出されています。 別の写真には、PR会社社長自ら、選挙カーの上で、ライブ配信をしている様子も写っていました。これらについて、斎藤知事側は―。 (斎藤知事の代理人 奥見司弁護士)「いずれもPR会社としての活動ではなく、選挙の“ボランティア”の一員としてなされたものです」 斎藤知事側の主張は、ポスターのデザインなどは仕事として発注したが、それ以外の活動はあくまで社長個人のボランティアだったというものです。ただ、このPR会社は、ポスター制作がメインの仕事ではなく、むしろSNSを使ったプロモーションに強みがあります。

■PR会社“SNSのプロ”高額案件受注も これは実際にPR会社が担当した広島市の観光情報を発信する公式インスタグラム。5年連続でコンペを勝ち抜いていて、その間、フォロワー数は10倍に増加。今年度の受注額は、807万4000円でした。 斎藤知事側の主張通りなら、SNSを武器に、150以上の行政や企業などの仕事を手掛けてきたPR会社の社長が、今回は、本業とも言える部分を無償で行ったことになります。 (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「左がその時保存していた画像なんですけれども、右が現在のものですね」 何かを隠そうとしているのか。ジャーナリストの鈴木エイト氏は“削除や改変”された部分に注目します。 (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「オフィスに現れたのは斎藤元彦さん。それが全ての始まりでしたというようなことが消されていると」 さらに―。 (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「“提案中”というところが“説明中”に変わっていると。もともと本来は斎藤元彦氏から依頼を受けて、“会社の仕事”として、こういうことを提案しましたという流れを消そうとしているのかなと」

■消された「SNS運用フェーズ」中身は? 中でも、鈴木エイト氏が重要視するのは、丸ごと削除された「SNS運用フェーズ」というチャート図です。 (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「(元々)この辺をぼかしてあって読み取れないところはあるんですけれども、10月1日から13日、これはフェーズ、種まきとなっていますよね。フェーズ2が育成、フェーズ3が収穫となっているので、明らかに“SNSの運用”を“戦略的にやっている”と」 フェーズ3の収穫で、力を入れたポイントは、コンテンツの量の強化だったとあります。期間の11月1日は知事選の告示日翌日、11月17日は投開票日にあたります。これが本当なら、まさに選挙期間中もSNSの運用を続けていたことになります。 PR会社社長は、ANNの取材に「弁護士から答えるなと言われている」と回答。今も沈黙を守ったままです。 (ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「斉藤元彦知事に関しても、代理人に任せているというのは、ちょっと首長としてどうなのかなと。このPR会社の社長を守るという意味でも、自分を応援してくれた人に対して、どのような対応をするかというところが問われている」

12月1日『有働Times』より

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