韓国の与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が今後「外交を含む国政に関与しない」と述べました。韓国の政治の混乱はいつまで続くのでしょうか。
■与党代表「尹氏に国政関与させない」
韓国国民の思い一つひとつが、夜を彩りました。
尹錫悦大統領の弾劾(だんがい)を求めるろうそく集会です。
デモ参加者(21) 「民主主義を壊す尹大統領に怒りを抑えられずに出てきました」
氷点下近い気温にもかかわらず、集まった人は少なくとも15万人。朴槿恵(パク・クネ)元大統領が弾劾された時以来、8年ぶりの光景です。
その頃、国会内では、尹大統領の弾劾訴追案の採決が行われるはずでしたが…。
議長 「席に戻って下さい」
与党議員108人中、105人が退場。投票議員が定員数を満たさず、弾劾案は「不成立」となりました。
与党の対応に、国民の批判はさらに高まり、与党代表は首相と緊急会見を開く事態に。
ハン・ドクス首相 「今、最も重要なことは、国政の運営に一瞬たりとも隙間があってはならないということ」
与党「国民の力」 ハン・ドンフン代表 「非常戒厳令事件によって生じた国民の不安と国家の甚大な被害は取り返しがつかない。尹大統領が残りの任期中、正常に国政を運営できないので退陣すべきだというのが大多数の国民の判断です」
しかし野党側は、この2人の行動を国政運営の資格のない人々の“2次クーデター”だと批判しました。
こうしたなか、大統領に「非常戒厳」を提案した前国防長官が逮捕されました。現職の大統領が“内乱罪”で逮捕される可能性もあります。
与党の代表は早い時期での退陣を求めるとしていますが、一体、いつごろになるのでしょうか。
コリア・レポート 辺真一編集長 「今一番大統領の椅子に近い、イ・ジェミョン代表の裁判、1審で有罪判決が出されている。この最高裁の判決が半年以内に出る。有罪ということになると、その瞬間、イ・ジェミョン代表の大統領選出馬の被選挙権が剥奪(はくだつ)される。そうなると、ハン・ドンフン代表の強力なライバルが消える」
降りるか、降ろされるか。いずれにせよ、尹大統領は事実上、権力を失ったとみられます。日本にはどんな影響があるのでしょうか。
コリア・レポート 辺真一編集長 「肝心要のトップ外交、首脳外交は厳しいと思う。米韓首脳会談が難しいということは日米韓首脳会談も難しい。なので、やはり大統領が定まらない限りは今後、日韓、あるいは日米韓の関係にも悪影響を及ぼすのではないか」
野党は臨時国会を開き、毎週、繰り返し弾劾を進める方針です。