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「航海日当」約3年間で3313人が約3700万円の不正受給 長官や船長らを処分 海上保安庁

社会

 航海した際に支給される「航海日当」を、船長らが不正に請求し受給していた問題で、海上保安庁は全国の管区で3000人以上の職員が、およそ3700万円を不正受給していたと明らかにしました。

 海上保安庁によりますと、2024年に、第7管区海上保安本部の佐世保海上保安本部に所属する巡視艇など5隻で、航海をした際に支給される「航海日当」を不正に受給していたことが確認されていました。

 その後、不正受給は海上保安庁の全国の管区で行われている可能性があるとして、航海日当の請求書などが残されている2021年4月から2024年6月までの3年3カ月分を調べたところ、対象となる428隻のうち、第1管区から第11管区までのすべての管区の合わせて243隻で航海日当の不正受給や誤った請求が行われていたことが判明したということです。

■「航海日当」とは

 「航海日当」は、港から一定の距離での活動や時間などによって支給額が変わり、一般的に小型船と言われている、巡視艇の場合、船長は1日あたり910円、乗組員は590円から750円が支給されます。

 活動の距離が短い場合や、航海時間が基準に満たない場合は減額になるほか、港の中での作業では、支給されません。

 そのため、海上保安庁は遠洋を得意とする大型の巡視船より、近距離で活動する巡視艇で不正請求する傾向が高いと分析していて、実際に今回の調査で不正が多かったのは、内海での比較的近距離で活動することが多い、第5管区、第6管区、第7管区でした。

■不正請求は494人の船長

 不正や誤請求を行っていたのは、巡視艇などに乗っていた494人の船長で、3年3カ月の間に船長を含む乗組員のべ3312人が、合わせておよそ3700万円を受給しました。

 職員への聞き取りによりますと、不正は管区内で常態化していたとみられていて、少なくともおよそ40年前から行われていた可能性があるということです。

 海上保安庁は、受給者に対して、「納入告知書」を送付し返金を要請し、今年9月には返金が完了する予定です。

■悪質性の高い船長139人を懲戒処分に

 不正受給の中には、実際には出航していないのに、出航したと偽って受給するいわゆる「カラ出航」や、航海時間を水増ししたり、航行区域を偽ったりして満額を受給するなど、悪質なものも含まれます。

 海上保安庁は、「カラ出航」など特に悪質性の高い船長のうち、今も現役の139人に、減給や戒告の懲戒処分を行い、船長の上司だった当時の海上保安部長など24人に説諭処分を行いました。

 また、組織の責任者として、海上保安庁の瀬口良夫長官も減給の懲戒処分となります。

■今後は請求を自動化に

 これまで、航海日当の請求は、各巡視艇の船長が手動で、航行距離や航海時間を記入し、乗組員全員分を請求していましたが、再発防止策として、2028年度内に自動化することを目指すということです。

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