豪雨によって高梁川の名物である「アユ」がピンチです。6日に爆発した総社市のアルミ工場近くにあるアユの養殖場から、川の氾濫によって約15万匹のアユが流出しました。
(高梁川栽培漁業研究所/中山優 主任) 「耐えられないですよね…まず浮かぶのが、この後どういうふうにしたらここが立ち直るんじゃろうか」
アユが流出したのは、総社市の「高梁川栽培漁業研究所」です。研究所では、34基の水槽でアユを養殖しています。毎年、育成したアユの稚魚などを高梁川流域に放流しています。
(高梁川栽培漁業研究所/中山優 主任) 「水はね、床からでしたら2メートル70か80くらいです。冠水した川の中を泳いで逃げたんです」
6日夜、高梁川の水位が上がり、水槽の高さを越える濁流が押し寄せ、職員は命からがら逃げ出しました。しかし、 飼育していた約15万匹のアユの大半は流され、養殖施設も水没しました。
(高梁川栽培漁業研究所/中山優 主任) 「屋根の上に木材が乗ってるのわかります?ってことは、中にいたアユは全部逃げていない、逃げるか死ぬかですよね」
設備が水没した後、約150メートル離れたアルミ工場の爆発で、管理棟なども大きな被害を受けました。復旧作業は全く進んでおらず、仮に建物を直したとしても、養殖場を再開するには衛生面で問題があるそうです。
(高梁川栽培漁業研究所/中山優 主任) 「ただの泥じゃないですよ。いろんなものが混じってね。これがちょっと湿気でも帯びたら、いろんな菌が繁殖するんじゃないですか。アユなんか飼えたもんじゃないです。消毒するだけでも大変です」