恐竜の大繁栄はまだ少し先。そんな時代の貴重な化石です。岡山理科大学や福井県立恐竜博物館などの研究グループが約2億2000万年前の海に生息していた魚竜の化石を発見しました。
化石から推定した魚竜の姿です。全長は約2.5m以上とみられます。魚竜は一見、魚のようですが、海に生息した「は虫類」です。
魚竜の化石を発見したのは、岡山理科大学の加藤敬史教授です。
加藤教授は2023年7月、高梁市の成羽美術館で中高校生に展示品の解説をしていたところ、二枚貝類の化石を含む岩石の側面にあるものに気付きました。
(岡山理科大学 生物地球学部恐竜学科/加藤敬史 教授)
「いや、もう、あの、わ、骨だなっていう」
研究グループがCTスキャンなどで調べたところ、同じ岩石から肩甲骨やろっ骨など21の骨の化石が見つかり、形状などから魚竜であることが分かりました。
魚竜の化石を含む岩石は、高梁市に分布する約2億2000万年前の後期三畳紀の地層から出たものです。
この時代の魚竜の化石が見つかったのは日本では初めてで、研究グループは魚竜の進化の過程をたどる重要な発見としています。
この岩石は30年以上前に見つかり、長年、成羽美術館で展示していました。
(岡山理科大学 生物地球学部恐竜学科/加藤敬史 教授)
「(Q.発見で期待すること)こういう標本見つかると、追加の標本ってのはよく見つかることがあります。追加の標本であるとか、そういうものの発見につながるんじゃないかとは思っております」
成羽美術館では8月、魚竜の化石が含まれた岩石の一般公開を予定しています。