大型連休中の人の流入を防ごうと岡山県の伊原木知事が先日、県内のパチンコ店や観光地の旅館・ホテルに営業の自粛を求めました。しかし事業者からは困惑の声が上がっています。
岡山県の伊原木知事は24日、県内全域のパチンコ店と県外からの観光客が多い旅館やホテルに対して5月6日まで営業しないよう求めました。
(岡山県/伊原木隆太 知事) 「お願いの中では一番強いタイプのお願い。これを聞いてくれなかったらあなた人を殺すことになるんですよという、目が血走っているようなお願い」
今年創業90周年を迎えた倉敷市の鷲羽山下電ホテル。
新型コロナウイルスの影響で4月の客室稼働率は15パーセント、5月の予約は5パーセントにまで落ち込んでいます。 休業した方が赤字を抑えられますが、水島コンビナートで定期補修工事にあたる人や自宅に帰れない医療関係者のために営業を続けています。
(下電ホテル/永山久徳 社長) 「どうしてもやむにやまれぬ事情で県外から来られている方を受け入れている。その方々にとって知事の発言は、大変心痛めるものであったと思う。岡山県を助けようとしている方々とか、コロナが収まってから岡山に来たいと思う方々にも影響を与えた発言と思う」
岡山県旅館ホテル生活衛生同業組合に加盟する約140施設のうち、半数以上が休業しており再開の見通しが立っていません。
利用客が激減して苦しい状況の中、財政支援がない今回の営業自粛のお願いは宿泊業界にとって大変厳しいと言います。
(永山久徳 社長) 「観光客にお断りして、理由のある方だけ泊めるという態勢に移行している。当然それに対する経済的打撃はわれわれも存続が危ぶまれるくらいかなりの覚悟を持った休業なので、それに対しては他の自治体が行っているような何らかの助成や補助はお願いしたい気持ちは変わらない」