香川県を代表する神社の動きに驚きの声が上がっています。香川県琴平町の金刀比羅宮が神社本庁を離脱する手続きを進めています。数年前から本庁に対して抱いていた不信感と離脱を決めたその理由とは。
6月5日、金刀比羅宮は神社本庁を離脱する旨を記した書面を本庁に送付しました。
(記者リポート) 「神様にお供えするお金のことを幣帛料(へいはくりょう)といいます。この幣帛料のやり取りが今回の離脱の大きな決め手となったようです」
去年11月14日天皇陛下が皇位継承に際して行う宮中祭祀・大嘗祭の当日祭を各神社で行うよう神社本庁から通達があり、当日までに幣帛料が交付されることになっていました。しかし、幣帛料は当日を迎えても交付されずお供えされないまま祭典は行われました。
金刀比羅宮によると、数年前から神社本庁の不動産の不正取引問題に対して不信感を抱いていた上、今回の件も重なり、今年2月宮司や神職らで行う会議で離脱の話が出たそうです。
神社本庁は、「幣帛料の交付は各県の神社庁に任せていて、適切な事務遂行を指導する」としています。
一方、香川県神社庁は金刀比羅宮の離脱に対して「相談もなく突然通知が届き驚いている」とした上で、「全国にある分社の祭祀が今後どのようになるのか心配している」とコメントしています。
神社本庁は全国に約8万社ある神社のほとんどが加盟していますが、明治神宮など離脱の動きが相次いでいます。 金刀比羅宮は離脱後も今まで通り運営できるとしていて、届け出が文化庁で受理され次第、秋ごろには離脱するということです。