若い人たちの生活にもっと漆器を取り入れてもらおうと、現代に合ったカラフルな漆芸作品を集めた展覧会が高松市で開かれています。
高松港の赤灯台が描かれた豆皿や、ころんとした丸い形がかわらしい一輪挿し。
香川県の30代から40代の漆芸作家4人で作る団体「讃岐漆sinra(シンラ)」が開いた作品展です。
(中濱綾那リポート)
「庵治石の粉を漆に混ぜて塗った漆器です。熱いものを入れても、伝わる熱は優しく持ちやすくなっています。木製ならではの軽さが感じられる器です」
ちらちらと見える黒い部分は石粉と漆の混ざったところで、硬い庵治石の粉を混ぜることで金属のスプーンを使っても表面に傷がつきにくくなっています。
指紋も目立ちにくく機能性も兼ね備えた漆器です。
こちらのカラフルな箱はお弁当箱。木地(きじ)は曲げ輪で作られていて食卓や生活にすぐに取り入れられそうなシンプルなデザインです。
こちらは讃岐漆芸の伝統技法のひとつ「象谷塗(ぞうこくぬり)」が用いられた器です。
川や池などに生える葦(あし)の一種、真菰(まこも)の粉末をかけた上に漆をすりこんで艶を出しています。
このほか瀬戸内の海と空をイメージしたオリジナルの箸など、現代の生活に寄り添った漆芸作品を楽しめます。
この展覧会は高松市の北浜アリーの「KITAHAMA BLUE STORIES」で、1月25日まで開かれています。