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【解説】6月10日に外国人観光客の受け入れ再開 観光地の期待と残る課題 香川

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 今回の解説は「インバウンド」について考えます。政府は6月10日に、約2年ぶりにインバウンド、外国人観光客の受け入れを再開することを決めました。観光地からは期待の声が上がっていますが、課題も浮き彫りとなっています。

栗林公園は新型コロナで来園者が半分以下に

 新型コロナの影響を受ける前、2014年の栗林公園。この時はアジアを中心とした海外からの観光客が多く訪れていました。

(記者リポート)
「栗林公園の中にある茶屋です。こちらインバウンドのお客様、多い時には1カ月に延べ500人の利用があったそうです」

(栗林公園 花園亭/大西日登美さん)
「日本のお客さんが逆に『ここは海外なの?』って言うくらい(外国)人があふれていました」

 しかし、新型コロナによってその状況は一変します。新型コロナ禍前の2018年度、栗林公園の来園者は71万3441人で、このうち18.7%の13万3565人が外国人でした。一方、2021年度は来園者が30万6399人まで減少、そのうち外国人は1%の2944人でした。

(栗林公園 花園亭/大西日登美さん)
「海外の方はほぼほぼ見ない感じで、日本に住んでいる方はちょろちょろ来ていただいてるような。団体さんは皆無です」

夏会期を控える瀬戸芸 外国人観光客の受け入れ再開に期待

 岡山・香川のホテルなどに宿泊した外国人の数を2019年と2021年で比べると、2019年は前回の瀬戸内国際芸術祭が開催されていたこともあり、香川には例年より多い延べ約69万人の外国人が宿泊しましたが、2021年は2019年の50分の1でした。

 2022年4月から5月にかけて新型コロナ禍で開かれた瀬戸内国際芸術祭の春会期。来場者は前回の6割ほどでした。

 春・夏・秋の会期を通して過去最多の約118万人が訪れた前回は、4分の1ほどを外国人観光客が占めていました。

 8月5日には夏会期の開幕を控えているだけに、実行委員会は6月10日からの外国人観光客の受け入れ再開に期待しています。

(瀬戸内国際芸術祭実行委員会/合田健さん)
「国際芸術。国際と言われているだけあって海外の認知度は高まっていますし、それ(受け入れ再開)には期待しています」

 期待の声は観光地からも聞こえてきます。

(こんぴらさんの参道沿いのお店の人は―)
「ぜひまた戻ってきていただいて、にぎわいがまた戻ってきたらいいなと。免税とかそういうのも準備してお待ちしていますので」

 一方、まだまだ楽観できる状態ではなさそうです。

(栗林公園 花園亭/大西日登美さん)
「もう何件か問い合わせは入っておりまして、また戻って来るのかなっていう期待はしておりますが、『ここが海外だ』と皆さんが思うくらいすぐ戻るかは、なかなか難しいのではないか」

「地方に移動」のハードルにアプローチ

 ネックの1つが「空の便」です。

(栗林公園管理事務所/櫛田淳一 総務課長)
「高松空港の海外の定期便が運休になっていますので……。早く再開することになりまして、栗林公園が以前の栗林公園に戻ってくることを願っています」

(瀬戸内国際芸術祭実行委員会/合田健さん)
「政府は5大空港から始めるって言っているんで、そこから『地方に移動』という手間が増えるとまたハードルが高くなるかなと思うので、我々としてはその辺にもアプローチをしたいと思っています」

国際線の現状は

 日本では現在、羽田・成田・関西・中部・福岡の5つの空港で国際線を受け入れています。さらに政府は外国人観光客の受け入れ再開を踏まえて、6月中に新千歳と那覇でも再開できるよう準備するとしています。

 高松空港の4つの国際線は2年以上運休が続いています。香川県の浜田知事は国に高松空港でも国際線を再開するよう要望するとしていますが、実際には高松空港や岡山空港など地方の空港では再開の見通しは立っていません。

 当面は関西国際空港などに到着した観光客をいかに岡山・香川に呼び込むかが課題となってきます。それでも、受け入れ再開を見据えて準備を進めてきた旅行会社には今、問い合わせが相次いでいるそうです。

新型コロナ禍での準備が功を奏して「うれしい悲鳴」に

(穴吹トラベル インバウンドセクション/横山哲也 係長)
「問い合わせがいっぱいあって。うれしい悲鳴です」

 高松市の穴吹トラベルはインバウンドの再開に向けて、新型コロナ禍でも準備を進めていました。

(穴吹トラベル インバウンドセクション/横山哲也 係長)
「この2年間、我々としては環境整備、いわゆるコンテンツ開発であったり、ガイドさんを要請したり、オンラインで現地を紹介したりとかをさせていただいていました。(Q.インバウンドの問い合わせは来ていますか?)お陰様で来ています」

 穴吹トラベルによると現在、欧米やオーストラリアなどの富裕層を中心に問い合わせが入っていて、2022年の秋や2023年の春の旅行が具体的に動き始めています。

 一方、心配なのが……

(穴吹トラベル インバウンドセクション/横山哲也 係長)
「マスクを着けなきゃいけないのはやはりストレスを感じますので、そこでは100%旅行を楽しめない感覚になるんじゃないかな。心配はありますね。地域の方も良し、観光客の方も楽しんでいただけるような相互理解のある中で、お互いのことを考えていただきながら進めていっていただきたい」

外国人観光客の受け入れ再開に「不安」の声も

 Park KSBアプリで外国人観光客の受け入れ再開について「期待と不安どちらが大きいか」を聞いてみたところ、3分の2ほどの人が「不安」と回答。「期待」は1割にとどまりました。

 「経済効果」に期待する声がある一方で、「マスクを着用する人が少なそう」など感染拡大を懸念する声が多くを占めました。

 政府は入国する人数の上限を設定するなど一定の制限を設けながら、受け入れ体制の見直しを進めています。



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