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【解説】“香川の玄関口”で進む再開発 JR高松駅直結の「駅ビル」などでにぎわい戻るか

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 香川の玄関口が大きく変わろうとしています。

 JR高松駅やフェリー乗り場などがある「サンポートエリア」。JR高松駅の北側では4階建ての商業施設「駅ビル」の建設が3月1日に始まりました。その駅ビルの西側、JR高松駅の北西には徳島文理大学の香川キャンパス。そして海側のエリアには新しい県立体育館がオープンする予定です。

 2025年までの3年間で大規模な建物の開発が相次ぐサンポートエリア。街の拠点としてにぎわいを取り戻すことはできるのでしょうか?

JR高松駅直結の「駅ビル」 新店や活性化に期待の声

 JR高松駅の北側。JR四国が所有するこの敷地では、3年前まで食品スーパーの「エースワン」が営業していました。17年間にわたってこの場所で営業しましたが2019年に閉店しました。

(買い物客は―[2019年当時])
「島から来てるけど、ここで買い物して帰るという感じだったので、かなり不便になります」

(JR四国/半井真司 社長[2019年当時])
「高松駅の玄関としてふさわしいような、にぎわいのある施設を、今、検討しているところです」

 このスーパー跡地の活用方法として当時から計画されていたのが「駅ビル」でした。

 スーパー閉店から約3年。3月1日、その「駅ビル」の建設工事が始まりました。

 駅ビルはJR高松駅と直結していて、地上4階建ての商業棟と、地上4階建て、地下1階の駐車場棟に分かれます。

 JR四国はスーパーや飲食店の他、美容院、エステ、ネイルサロンなど約70店を誘致することを計画しています。

 新しい駅ビルには街の人や周辺の店からも期待が集まっています。

(街の人は―)
「マックがほしい。マックがないのでマックがほしい」
「県外から来られる方にもメリットがある。高松自体も活性化されると思う」

(近くのラーメン店の人は―)
「活気づいてくれて人が増えてそれに伴って利用してくれたら、お店にとって一番いいかなと」

(JR四国/西牧世博 社長)
「サンポート地区全体がにぎわいのある地区にできれば駅の利用者も増えるし、今後の展開・発展が良くなるかなと思ってます」

開発進むサンポート 「移動」の整備でどう変わる?

 この駅ビルは2023年度の後半にオープン予定ですが、2024年度には海側のエリアに新しい県立体育館がオープンします。

 新しい県立体育館はスポーツの国際大会や1万人規模のコンサートにも対応できる設備を備えます。

 さらに、2025年4月には徳島文理大学がさぬき市志度にある香川キャンパスを高松駅の北西に移転させます。現在、香川キャンパスには大学、大学院あわせて約1300人の学生が在籍しているのです。

 これらのオープンによってサンポートエリアには今後多くの人が集まることが期待されています。

 これに併せて、香川県と高松市は「快適な移動」を目指して歩道や道路の整備を計画しています。

 まず新しい県立体育館とJR高松駅を結ぶ歩道に屋根を取り付けます。すでにJR高松駅前のタクシー乗り場などには歩道に沿って屋根が設置されていて、それとつなげることで「快適な移動」を目指します。

 また、フェリー乗り場から県立体育館へとつながる場所には、車道を越えて横断できる連絡デッキを作る予定です。

 サンポートエリアではどんどん再開発が進んでいますが、まちづくりに詳しい専門家は、大切なポイントとして「場所の資源を生かすこと」をあげています。

専門家「資源を生かして魅力的なまち作りを」

(香川大学 経済学部/西成典久 教授)
「これからを考えていくためには、単なる歩道の整備だけじゃないことを考えていく必要がある。空間と空間をつなぐような場所をどんなふうにして魅力的にしていけるか」

 香川大学の西成典久教授は、「移動を効率的にするための整備」だけでなく、地域の特徴を生かした「建物以外の空間も魅力的にする工夫」が必要だと考えています。

(香川大学 経済学部/西成典久 教授)
「たとえばクレメントホテルの目の前にある交差点。場所らしさを使い切れていないと言えるんじゃないかなと思います」

 西成教授が挙げたのは、中央通りと玉藻公園の北側、水城通りが交わるサンポート高松玉藻の三差路。東側に玉藻公園、西側にサンポートエリア、北側に瀬戸内海を臨む場所です。

(香川大学 経済学部/西成典久 教授)
「一番魅力的にできる場所なんですけど現在は単なる交差点。歩道もあるはあるんですけど、むしろ『通り過ぎていけよ』と交通のための場所になっている。あそこを芝生の公園として一体的に整備するだけでも、芝生越しに海が見えたりとか、お城が見えたり、とても魅力的なエリアになって高松でしかできない体験になる」

「その場所に行って、滞在して、楽しめて、経済効果を生み出す。そういった街をどうつくるかっていうときに、これまでの考え方を変えていく必要があるんじゃないか」

 3年に1度の瀬戸内国際芸術祭では、島に向かうためサンポートエリアに多くの人が集まります。再開発もあって、より注目が高まっている地域だけに、建物を作るだけではなく、特性を生かしたにぎわいづくりに期待がかかります。

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