さまざまな事情で「学び直し」を必要とする人たちが通う「岡山自主夜間中学校」。その活動を多くの人に知ってもらおうと、1日限定の「カフェ」が開かれました。
岡山市北区の表町商店街にある岡山自主夜間中学校。2月3日は、1日限定のカフェのオープンに向けて、準備が進められていました。
接客を担当するのは、この学校で学んでいる生徒たちです。
(岡山自主夜間中学校の生徒)
Q.どんなところが楽しみですか?
「売れるかなという楽しみもあるし、『いろんな人が来てくれないかな』という楽しみがあります」
岡山自主夜間中学校は週に3回、年齢や国籍を問わず、さまざまな事情で学び直しを必要とする人に、ボランティアが無償で勉強を教えています。不登校を経験した若い世代や、義務教育を受けられなかった高齢者ら、約300人が在籍しています。
今回、「1日限定のカフェ」を提案したのは、ボランティアで勉強を教える大学生の小寺大起さんです。
(ボランティアの大学生/小寺大起さん)
「(岡山自主夜間中学は)最初は少し入りづらい場所なのかなと思ったんですけど、初めて入った時、皆さんウェルカムという感じで迎え入れてくださって、それを多くの人に知っていただきたいと思って、今回のイベントを企画しました」
3日、「1日限定のカフェ」オープンと同時に、たくさんのお客さんが訪れました。
同じ表町商店街に店を構えるカフェ、「アンド グリーン ティー」とコラボして、おにぎりやスイーツ、ドリンクなどを販売しました。
(アンド グリーン ティー/平山姫里有 店長)
「イベントのお話をいただいて、(岡山自主夜間中学校について)いろいろと知ったこともあるんですけど、知らない人も意外に多くて。もっと入りやすい雰囲気を、お店とコラボすることで出していけたらなと思っています」
小寺さんは、一つ一つテーブルをまわって、積極的にお客さんに話しかけていました。
(ボランティアの大学生/小寺大起さん)
「本日は、岡山自主夜間中学校を知ってもらおうと、企画させていただきました。アンド・グリーン・ティーさんとコラボで」
中には、ボランティアに興味を持って見学に来た人も……。
(ボランティア)
「生徒さんが、『問題が解けた』と言ってくれて、喜んでいる姿がうれしくて」
(見学に来た人)
「ちょっときょうは見学してみたいのでいいですかね」
お客さんに岡山自主夜間中学校の雰囲気を味わってもらおうと、生徒たちが歌を披露しました。
(お客さんは―)
「雰囲気がアットホームで、とても温かい気持ちになりました」
「勉強し直したいという思いにすごく感銘を受けました」
「こういう形でも応援できたら、どんどんやってください」
最後に、生徒会のメンバーが「多くの人に岡山自主夜間中学校の存在を伝えてほしい」と呼び掛けました。
(呼び掛け)
「こんな学校があるという情報が、困りごとを抱えて生きづらい人たちに届けば、その人たちを助けることができるかもしれません」
(生徒会長/井上健司さん)
「こういうイベントをもっとたくさんやって、知ってもらうのもいいと思います。(岡山自主夜間中学校を)日本中に知ってもらいたいですね」
(ボランティアの大学生/小寺大起さん)
「こういう場所があるんだと言っていただいたのが一番うれしかった。そういう声があって、頑張ったかいがあったと感じます。岡山自主夜間中学校をもっと多くの方に知っていただいて、もっと皆さんの第3の居場所としてあるような場所にしていきたいです」
(岡山自主夜間中学校/城之内庸仁 代表)
「どうしても、夜間中学校の活動をしていると、夜間中学校が当たり前のような感覚になる時があるんですけど、実はそうではなくて、まだまだ夜間中学について、夜間中学がなぜ大事なのかが広まっていないということに気付かされるんですね。その意味では、今回カフェという入り口を通じて、『こんな学校があるんだ、岡山の商店街に』というこういう反応がたくさんあったので大成功だったと思っています」
岡山自主夜間中学では学び直しを希望する生徒や、勉強を教えるボランティアを募集しています。生徒の年齢や国籍、事情などは問いません。
気になる方は問い合わせてみてください。(電話:090-2862-4400)