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全国の自主・公立夜間中学校が増設に向け岡山で交流集会 情報や課題を共有

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 年齢や国籍を問わず、さまざまな事情で義務教育を十分に受けられなかった人などに学び直しの場を提供する夜間中学校。全国の関係者らが、情報や課題を共有する交流集会が岡山市で開かれました。

 2022年で41回目を迎える、「夜間中学増設運動全国交流集会」です。会場となった岡山市の岡山自主夜間中学校には、全国約30団体の100人ほどが集まりました。

 文部科学省は法律に基づき、各都道府県と政令指定都市に少なくとも1校、公立夜間中学校を設置するよう促しています。

 岡山県では現在、ボランティアによる自主夜間中学校が学び直しを支えていて、2025年度には、岡山市が公立夜間中学校を開設する方針です。一方、香川県では2022年4月、三豊市が全国で初めて不登校の中学生を受け入れる公立夜間中学校を設置しました。

 現在は15都道府県に40の公立夜間中学校があり、さらなる増設・充実に向け、関係者らが活動を報告しました。

(公立夜間中学校がない 栃木県/自主夜間中学校の関係者)
「関東地区でまったくもって計画すら進んでいない。とちぎ自主夜間中学宇都宮校の運営をしながら設置に向けた速度を上げていこうという状況です」

 すでに公立夜間中学校がある都道府県でも、就学年数や入学時期など多様な生徒を受け入れるがゆえの課題があります。

(公立夜間中学校がある 埼玉県/自主夜間中学校の関係者)
「川口市の陽春分校(公立夜間中学校)では、随時入学を認めてないんですね。ですから、4月に入学できなかった生徒たちは、私たちの自主夜間中学で(入学を)待つ、今もそれが続いている状態」

 集会には、夜間中学校の生徒たちも参加し、フィールドワークなどで交流を深めました。

(4月に開校 三豊市の公立夜間中学校/生徒)
「僕らの学校みたいに新しいところではなくて、いろいろ経験してきた学校の人たちの考えていることとか、勉強になりました」

(兵庫県の公立夜間中学校/生徒)
「皆さんが抱えている問題を知ることができて、誰でも受け入れる学校になってもらえたら一番いいなと思います」

 集会では、7月に岡山自主夜間中学校の生徒を対象に行われた識字調査の結果も発表されました。約70年ぶりとなる本格的な識字調査の実現に向けて、国立国語研究所が初めて実施したものです。野山広准教授の報告によりますと、日本語の基礎的な能力を確かめるテストを受けた25人の生徒のうち、約2割が「日常生活の読み書きに困っている状況」であるということです。

(とちぎ自主夜間中学宇都宮校/大橋衛 副校長)
「やはり誰一人取り残さないそんな学習環境、皆さん日夜努力されているんだなということで、全体的に勉強になりました」

(4月に開校 山口自主夜間中学校/池田新 代表)
「いろいろなアドバイスをいただいて、今回の会から学んだことを山口で実践してまいりたい」

(岡山自主夜間中学校/城之内庸仁 代表)
「全国各地に今、公立・自主の夜間中学が増えています。新しくできた学校、30年、40年とある学校、その課題を知ることによって今後それぞれの共通する課題になる可能性もあるんですね。そういう意味では全国の話が聞けるこの会はとても大きな意義があると思います」

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