性別適合手術を受けずに戸籍上の性別変更を裁判所から認められたトランスジェンダーの当事者が27日、変更が反映された戸籍謄本を受け取りました。
午後1時、岡山市役所を訪れたのは、岡山県新庄村に住む臼井崇来人さん(50)です。本籍地は岡山市ではありませんが、広域交付サービスを利用して戸籍謄本を申請しました。
臼井さんは2023年12月、性別適合手術を受けなくても戸籍上の性別を女性から男性に変更することを認めてほしいと、岡山家庭裁判所津山支部に申し立てました。
家裁津山支部は2023年10月の最高裁の決定も踏まえ、戸籍上の性別変更に手術を必要とする「性同一性障害特例法」の規定は「憲法違反」だとして、2月7日、臼井さんの申し立てを認める判断を示しました。
そして、27日……。
(臼井崇来人さん)
「『続柄・長男』となっています。感慨深いですね。待ちに待ったという感じで」
臼井さんの戸籍上の性別は2月9日付で「女性」から「男性」へと変更され、「長女」と記載されていた欄には「長男」の文字が。
(臼井崇来人さん)
「ちゃんとした後ろ盾があるというのは、重みが全然違うと思います。今までは1人で『自分はこうなんだ』と言ってきたけれど、これからはそれを証明してくれるものがある」
戸籍上の性別変更が認められたことで、臼井さんは、一緒に暮らしているパートナーの女性と結婚したいと話します。
(臼井崇来人さん)
「戸籍も変わったので、以前はこの岡山市役所で8年前に(婚姻届が)不受理という結果だったんですけど。これで改めて結婚できるというのは感慨深くて、3月15日に婚姻届を出したいと思っています」