人と自然が共生する場所「里海」について考える勉強会が8日、香川県坂出市で開かれました。
香川県と坂出市が開催した勉強会「かがわ里海大学」には、親子連れや大学生ら約50人が参加しました。
海洋研究の第一人者、香川大学創造工学部の末永慶寛教授がアマモなどの海草が繁殖している「藻場」の役割を訴えました。
(香川大学 創造工学部/末永慶寛 教授)
「海草は生き物にとって非常に大事なすみかであり、食べ物、餌場、あるいは隠れ場」
末永教授は二酸化炭素を固定し、地球温暖化を抑制する場所としても藻場が注目されていると説明しました。
(記者リポート)
「坂出市王越町の海岸に来ています。今、潮が引いているのですが、すぐそこまでたくさんのアマモが生えているのが分かります」
全国の藻場は、沿岸部の開発や建設用に海の砂を採取した影響で少なくなっています。坂出市王越町の海岸は自然のアマモ場が残っている貴重な場所です。
(かがわ里海ガイド/谷 光承さん)
「アマモがこっちに流れている。こっちからだとアマモの上をすくうことになるので、下からガサガサ取っていくと(生き物を)取りやすい」
藻場は魚の産卵場や餌場となるため「海のゆりかご」とも呼ばれています。
参加者は、かがわ里海ガイドの谷光承さんの案内でアマモ場を観察し、小さなカニやエビ、ハゼやフグなどを見つけました。
(参加者は―)
「初めての経験だったのでいい思い出になったと思う」
「アマモ場で見たことのない生き物がすごい生き生きと泳いでいるのを見て、こういう環境を残したいとすごく感じた」
小さい頃、海でよく遊んでいたという坂出市の有福哲二市長も参加者と一緒に海に入りました。
(坂出市/有福哲二 市長)
「僕が子どもの時にいたのと全然種類が変わっている。魚の種類、ハゼも違うハゼだった。ちゃんと藻場が残っているのは貴重。これを再生していく、更に広げていく取り組みが大事」
(香川大学 創造工学部/末永慶寛 教授)
「ちゃんとそこにアマモが生える生息場所があることを、例えば囲い礁とか波浪の影響を低減するとか、こういった技術開発で数少ないアマモ場を残す、更に広げていく、増やしていく取り組みが今後必要になってくると思う」
「かがわ里海大学」は2016年から開かれていて、里海への理解を深めてもらうために今後も瀬戸内海をキャンパスに講座やワークショップを開いていくということです。