香川県観音寺市の伊吹島でイリコの原料、カタクチイワシの漁が12日、解禁されました。2023年、加工場が火事に遭い、再出発した網元を取材しました。
伊吹島では15軒の網元が瀬戸内海の中央部・燧灘(ひうちなだ)でカタクチイワシ漁を行います。このうち田尻水産の漁に同行しました。
(記者リポート)
「カタクチイワシの漁場に来ています。2隻の漁船で魚の群れを包み込むように網を入れるバッチ網漁が行われています。今、網を少しずつ引き上げています」
「今、網が海面まで上がりました。たくさんのカタクチイワシが入っています。カタクチイワシを食べようとした大きな魚も入っています」
(田尻水産/真鍋謙二 社長)
「取れたらうれしいけどな。まだちょっと少ない。大漁になってほしい。今シーズンは」
水揚げしたカタクチイワシを運搬船に入れ、素早く加工場に運びます。塩を加えた海水でゆでて乾燥機にかけて出荷します。
田尻水産は2023年7月、加工場の住居スペースや乾燥機、電装系の機械が焼けてしまう火事がありました。
漁のシーズン中でしたが、伊吹島の他の網元や従業員のサポートで再建し、2024年の準備も数日前に整ったばかりです。
(真鍋社長の妻/真鍋美千代さん)
「15軒の網元の皆さんとか、知人の知人とか友人とかもいろんな人に助けられて、100人以上の人が3日間かけてがれきの撤去を手伝ってもらって。みんなの漁の邪魔をしたらいかんという気もあるけど本当に助けられて良かった。助かった」
伊吹漁業協同組合によりますと、2023年はカタクチイワシを加工したイリコの単価が上がり、伊吹島の売り上げが30年ぶりに20億円を超えました。
田尻水産は2023年、火事で長期間操業できなかったため、並々ならぬ決意で2024年の解禁を迎えました。再開初日にイワシをゆでるライン3本のうち2本が止まる電装系のトラブルもありましたが、火事を乗り越えた結束力で一歩一歩前に進みます。
(真鍋社長の妻/真鍋美千代さん)
「イリコの漁が再開できる見通し。スタートダッシュとはいきませんが今からぼちぼちやっていきたい。今から右肩上がりに漁がたくさん。15軒繁盛できるようにイワシがたくさん取れたらいい」
伊吹島のカタクチイワシ漁は9月中旬まで行われる予定です。