「11ぴきのねこ」などの作品が世代を超えて愛される絵本作家でマンガ家・馬場のぼるさんの展覧会が岡山県倉敷市で開かれています。
馬場のぼるさんは、ほのぼのとしたユーモラスな作風で知られ、2001年に亡くなった後も絵本やマンガが多くの人を魅了しています。
倉敷市立美術館で開かれている馬場さんの展覧会です。
(記者リポート)
「あっ『11匹のねこシリーズ』読んでました! 猫たちの小憎らしい顔がかわいいんですよね」
1967年に第1作が誕生した絵本「11ぴきのねこ」シリーズは、馬場さんの代表作です。「にごりのない明るい色」が特徴と言われ、親から子へ世代を超えて読み継がれているロングセラーです。
シリーズの中でも特に人気の高い「11ぴきのねことあほうどり」の貴重な下絵も展示されています。
子どものころから絵に親しんだ馬場さんの生い立ちを知ることもできます。
旧制中学時代の勉強のノートはイラスト付きでまとめられ、馬場さんの遊び心を感じます。後のマンガ作品では、授業中に絵を描いて先生に叱られた思い出を紹介しています。
馬場さんより先に亡くなった親友の手塚治虫さんに捧げた作品は、鉄腕アトムが11ぴきのねこたちとのんびり気球に乗っています。
その他、ともに絵本作家として活躍した長新太さんらとの交流が分かる展示もあります。
日本を代表する洋画家、高橋由一の「鮭」を引用したと思われる作品は、鮭を眺める、ねこの一匹が舌なめずりをしているところに、馬場さんらしいユーモアを感じます。
世代を超えて愛される作家・馬場のぼるさんの魅力や軌跡を紹介する展覧会「まるごと馬場のぼる展」は9月1日まで開かれています。