不登校やひきこもりとの関連も深いネットやゲームへの依存に対する正しい知識を得てもらおうと香川県が学習会を開きました。
坂出市のこころの医療センター五色台で開かれた学習会には当事者や家族、支援者など約50人が参加しました。
講演した佐藤仁院長は「ゲーム依存」と言われる状態について「『ゲームの時間が長い、もっと勉強してほしい』と親が怒って、反発しながらでも生活できている子どもは問題ない」とした上で、「学校に行けず食事や風呂などの生活よりもゲームを優先するような場合は怒っても無駄だ」と話しました。
(こころの医療センター五色台/佐藤仁 院長)
「ゲームが唯一の居場所なんですよ。これを怒って取り上げたらどうなります? 困っていることは何も解決してくれないのに、唯一探し出した居場所を取り上げるんですからこんな残酷なことはない。ゲームを取り上げるよりもまず、なんでゲームばっかりするようになったかをもう一度立ち返って一緒に考えてあげてほしいなと思うんですよ」
香川県は2020年に施行されたネット・ゲーム依存症対策条例に基づき、児童・生徒が一定期間ネット環境から離れて日常生活を見直す「オフラインキャンプ」を開くなど対策を行ってきました。
ネット・ゲーム依存対策と不登校やひきこもりの問題を関連させた事業は今回が初めてで、2024年2月に児童思春期病棟を開設したこころの医療センター五色台に委託しました。
(香川県障害福祉課/土手政幸 課長)
「不登校の状態にある方もゲームに依存してしまっているというようなこともあるので、表出している状態像だけでなく、その奥のことにもアプローチするために、少し間口を広げてアプローチをしてみているという取り組みです」
(こころの医療センター五色台/佐藤仁 院長)
「ネット依存とかひきこもりっていうのは、いわゆる状態像であって、その中でいわゆるもっともっと重大な心の疾患であるとか、あるいはもっとサポートが必要な人たちが実は埋もれてしまっている可能性があるので、そういう人たちがちょっとでも早く医療機関等に、支援者にアクセスできることにつながれば」
この学習会は2025年2月まで月1回開かれ、希望者には医師らが個別の相談も受け付けます。参加は無料です。