視聴者の皆さんからの疑問にお答えする「みんなのハテナ」です。今回は今が旬の「カキ」の話題です。「生食用と加熱用の違い」や「おいしいカキの見分け方は?」「カキにあたらない方法は?」などの疑問が寄せられました。海の恵み、カキについてカキ養殖の漁師さんなどに聞きました。
「海のミルク」とも呼ばれる海産物「カキ」。そんなカキについて最初の疑問は……
おいしいカキの見分け方は?(高松市 みいか 41歳)
疑問に答えてくれたのは、カキの産地、備前市日生町でカキ漁を営むこの道20年! 漁師の奥橋さんです。
(カキ漁師/奥橋奉宜さん)
「正面から見てもらったら大体同じようなカキだと思うんです。ちょっと横にしてみると全然厚みが違うと思うんですよ。これで中身が全然変わってきますんで、できたら、厚みのある丸い形のカキをとってもらえると、中身もばっちりなのが出てくると思います」
殻の長さや大きさではなく、「ふくらみ」で選ぶと身に厚みがあってうまみが強く感じられるそう。
さらに、カキについて多く寄せられた疑問が……
生食用と加熱用のカキの違いは?(香川・綾川町 48 59歳)
たしかに、スーパーなどでは、「生食用」と「加熱調理用」と分けて売られていますよね。
(カキ漁師/奥橋奉宜さん)
「日生の海は清浄海域で育てたカキなんで、海の細菌数が少ないこと、カキに含まれる細菌数が少ないことで、生食用として出荷できるようになっています」
「生食用」として販売するには法律で定められているさまざまな基準を満たさなければなりません。
その基準には、カキを育てる海やカキ自体に細菌が少ないことや出荷前に浄化処理されていること、そのほか保存温度が10℃以下(冷凍の場合は-15℃以下)に保たれていることなどがあります。
日生町漁協では、国の基準を満たすための必要な検査に加えて、安全なカキを提供する対策をしているそうです。
(日生町漁業協同組合/田丸和彦 組合長)
「カキといえばノロウイルスでしたり、そういった検査も別途やっておりますし、毒性を持ったプランクトンが出現することがあって、それを常にウォッチングして、万が一に備えてもしそういうのが発生すると生産を控えるなどの対策を取りたいなと思って日々監視しています。とにかく安心安全なものを出荷するというのが我々の役目だと思っておりますので」
こうした対策のおかげで、安心・安全においしく食べられるんですね。ちなみに、漁師の奥橋さんのお薦めの食べ方は……
(カキ漁師/奥橋奉宜さん)
「やっぱり、焼きガキ・蒸しガキで食べていただけると、日生のカキを一番おいしく召し上がっていただけるんじゃないかと思います。これからどんどんおいしくなっていくんで、1度食べたらまた食べたいなとなるようなカキを目指してるんで、1度だけでもまずは食べてみてほしいですね」
カキにあたらない方法は?(岡山・北区北長瀬 りんご 67歳)
答えてくれたのは、赤磐市でカキを使って健康食品の原料などを開発・製造販売している備前化成の松永さん。そもそも、カキに「あたる」ってどういうこと?
(備前化成 素材開発課/松永尚之 課長)
「カキは、海水中の栄養素をろ過して成長するため、ウイルスや細菌を含むことがあります。ウイルスや細菌を原因として食中毒をおこすと、カキに『あたる』というふうになります」
(記者)
「カキ自体に悪い菌があるというわけではない?」
(備前化成 素材開発課/松永尚之 課長)
「そういうわけではなくて、あたるということに関してはウイルスや細菌のリスクと、体調によって変わります。体調、いわゆる免疫力が低下している状態だと、あたるリスクが上がります」
松永さんによると、ウイルスや細菌をやっつける働きがある「胃酸」が少ない人や、体の中の毒素を取り除く肝臓の機能が弱まっている人などもカキにあたるリスクが高くなるといいます。
(備前化成 素材開発課/松永尚之 課長)
「あたらないようにするために私たちができることは、体調管理をしっかりすることになります。加えてリスクを下げる、しっかり管理されたカキを選ぶというのが1つ大事になってきます」
「海のミルク」とも言われ栄養豊富なイメージのある「カキ」。最後の疑問は……
カキの栄養価が高い理由は?(岡山・南区豊成 オッさん 56歳)
(備前化成 素材開発課/松永尚之 課長)
「なんといっても、タンパク質、鉄分、亜鉛 などのミネラル、そしてタウリン、グリコーゲンが含まれています。この中でもカキといえばグリコーゲンと亜鉛になります。亜鉛は免疫力を高め、グリコーゲンはエネルギー源となります。カキを食べると元気になる、これはこれらの栄養素のおかげだと言っても過言ではないと思います」
サプリメントなどでも「カキ」が使われているのをよく耳にしますが……
(備前化成 素材開発課/松永尚之 課長)
「(エキスになると)栄養素だけを抜き出したものになりますので、カキの栄養素を手軽に利用することができます」
栄養豊富・うまみ抜群のカキ。産卵期前、栄養をため込んでいる今が旬。ぜひ味わってみては。