2026年度に入って、岡山市の小中学校で相次いでいるコンクリート片や天井の一部の落下…背景には建物の老朽化があるとみられています。
10日、岡山市北区の御南中学校で、校舎からコンクリート片が落下し、通りかかった生徒の左肩に当たりました。生徒は痛みを感じたものの病院には行かず経過観察中です。
(御南中学校/小倉恭彦 校長)
「大変申し訳なく思っております。教育委員会と協力しながら、専門家の方も踏まえて点検、それを日々怠らずにやっていくしかない」
御南中学校では、5月22日にも隣の校舎の軒裏から重さ約200gのコンクリート片が落下しているのが見つかっていて、6月10日の事故直前には、コンクリートが浮いている部分を取り除く作業が行われていました。
1977年に建てられた彦崎小学校では、グラスウール製の断熱材が落下しているのを、6月6日に体育館を利用していた市民が発見しました。
断熱材は長さ180cm、幅90cm、重さは約2.5kgです。
(記者リポート)
「今回落下していた以外の断熱材も、一部なかったり、垂れ下がっていたりするものがあります」
彦崎小学校では断熱材の撤去に取り掛かる予定で、撤去されるまでは体育館の使用を控えるということです。
岡山市では5月19日にも、1974年に建てられた石井小学校の校舎で合わせて重さ約3.5kgのコンクリート片が落下。一部の破片が駐車していた車に当たりました。
6月1日には、1976年に建てられた牧石小学校の校舎3階の軒裏から重さ約120gのコンクリート片が落下しました。
築40年以上の校舎は全体の7割に
なぜ落下が相次いでいるか。一級建築士の資格を持ち、建築物の維持管理に詳しい岡山大学工学部の川西敦史准教授は―
(岡山大学工学部/川西敦史 准教授)
「1970年、80年ごろに小中学校が建設されて約40年、50年経ってきて、いわゆる経年劣化が多い」
岡山市によると、第2次ベビーブームで児童・生徒数の増加を背景に、1970年代~1980年代にかけて校舎の建設が相次ぎました。
現在築40年以上の校舎は約350棟と全体の7割を占め、今回落下が確認された3施設はいずれも1970年代に建てられたものでした。
学校施設では目視による法定点検が3年ごとに1度、打診による外壁の点検を10年に1度行っています。
専門家「点検の精度を高める必要がある」
川西准教授は、落下事故が相次いでいることを踏まえて、ドローンなどの最新技術を活用し、点検の精度を高める必要があると指摘します。
(岡山大学工学部/川西敦史 准教授)
「設計者の目線でいうと思いもよらない使い方を子どもはする。安全性は考えて考えすぎはないので、点検を定期的に行ってその質を高めることに限る。そうすれば40年、50年経とうが建物としては維持できる」
岡山市は5月市内の小中学校などで教員による緊急点検を実施しました。その結果、落下の形跡や恐れがあると指摘があった32校について、市教委の職員が点検を進めています。