投開票まであと3日となったアメリカ大統領選挙。トランプ・ハリス両候補は「最後の週末」を激戦州を中心に回り、支持を呼び掛けています。
■「最後の週末」激戦州中心に舌戦
あと3日に迫ったアメリカ大統領選。両陣営は激しい中傷合戦を繰り広げています。
共和党 トランプ前大統領 「立ち上がって、カマラにもう十分だと言うんだ。これ以上、我慢できない。カマラ、お前はクビだ!出ていけ!ここから出ていけ!」
民主党 ハリス副大統領 「(トランプ氏は)国民の生活を良くすることは考えていません。復讐(ふくしゅう)に執着し、無限の権力を求めている」
トランプ陣営にはアメリカの強さの象徴・プロレスのハルク・ホーガン氏(71)が登場。Tシャツを破るパフォーマンスで会場を盛り上げると…。ハリス陣営には世界の歌姫・ビヨンセさんが登場しました。
大接戦が予想される大統領選。鍵を握る激戦7州のうち、現在5州でトランプ氏がリードする情勢となっています。
なかでも支持率が拮抗(きっこう)しているペンシルベニア州では、ある発言を巡り泥仕合となっています。
トランプ氏を支持 コメディアン トニー・ヒンチクリフ氏 「海の真ん中にごみの島が浮いている。プエルトリコと呼ばれていると思う」
トランプ氏を支持するコメディアンが、アメリカへの移民が多いプエルトリコについて「ごみの島」と呼んだのです。
ペンシルベニアの人口のうち3.8%がプエルトリコ系の住民で、選挙の勝敗を左右するとされています。そのためトランプ陣営は火消しに追われていたのですが…。
民主党 バイデン大統領 「私が目にする唯一のごみは彼(トランプ氏)の支持者たちだ」
バイデン大統領の発言で今度はハリス陣営が大炎上。ごみと呼んだのはトランプ支持者たちのことではなく支持者の発言だと釈明しましたが、揚げ足取りではトランプ氏の方が一枚上手でした。
オレンジ色の作業着を着て、ごみ収集車に乗り込むと…。
共和党 トランプ前大統領 「私のごみ収集車はどうだ?カマラとバイデンに敬意を表している」 「私たち全員をごみだと言った」
選挙戦最終盤にきて、風向きの良くないハリス陣営。プエルトリコ系で人気歌手のジェニファー・ロペスさんを集会に呼びました。
プエルトリコ系歌手 ジェニファー・ロペスさん 「私たちは激怒すべきです。私たちは大事な存在なのです」
さらに、ハリス氏は首都ワシントンで「最終弁論」と称してトランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃事件を糾弾しました。
民主党 ハリス副大統領 「トランプ氏は約4年前にこの場所に立ち、武装した暴徒を議会にけしかけ、選挙で示された民意を覆そうとしました」
アメリカ政治に精通している専門家は、今回の選挙は結果がどちらに転んでも同じようなことが繰り返されるのではないかと懸念します。
大和総研経済調査部 矢作大祐主任研究員 「何か結果が出たとしても、これは不正だというふうに言って、もう一回再集計しろみたいな話になったり、ずっともつれる。年内いっぱいぐらいは実はかかってしまうことも考えられる」
今、全米各地で暴動などに備え、対策が進められています。首都ワシントンでは店舗が壊されないように板が打ち付けられました。
地元住民 「賢い判断だと思う。トランプ氏の望む結果にならなかったらどうなるか、皆分かっている。当日は仕事に出掛けたくない」
このほか、一部の選挙管理事務所や開票所には防弾ガラスや有刺鉄線が張られるなどして警戒する動きが広がっています。