薬を誤って調剤され服用した女性が死亡したとして遺族がスギ薬局と薬剤師らに損害賠償を求めた裁判で、遺族側とスギ薬局側との間で和解が成立しました。
当時74歳だった女性は2021年、都内のスギ薬局で調剤された薬を飲んだ後、死亡しました。
遺族は今年8月、誤って調剤された薬を服用したことで女性が死亡したとして、スギ薬局と薬剤師らに対して約3850万円の損害賠償を求めて東京地裁に裁判を起こしました。
錠剤を小分けに包装する際、別の錠剤が混ざっていたのにスギ薬局の薬剤師が確認する義務を怠ったなどと主張していました。
東京地裁では今月22日、第1回口頭弁論が開かれましたが、弁論終了後に和解が成立したということです。
遺族側の代理人弁護士によりますと、スギ薬局側が遺族に対して請求額の満額を支払うほか、今後、スギ薬局を展開する「スギホールディングス」の会長が直接、謝罪するということです。
亡くなった女性の長男は和解成立後の会見で「母の命が奪われたという事実は変わらないので、無念でならない。人の命が亡くなった責任の重さ、職業意識を重く受け止めてもらいたい」と話しました。
スギホールディングスは「患者様のご家族様には深くおわび申し上げます。店舗管理を徹底し、再発防止を徹底して参ります」とコメントしています。