JR東海道線で、去年8月、電車と電柱が衝突した事故について、運輸安全委員会はひび割れが原因で水分が入り込み、腐食が進んだ電柱が事故が起きる3分ほど前に根元から折れたという報告書をまとめました。
去年8月、JR東海道線・大船駅近くの線路脇に立つ電柱が傾き、走行してきた電車と衝突しました。
この事故で、乗客4人と運転士1人が軽いけがをしました。
28日に公表された運輸安全委員会の報告書では、電柱が電車と衝突するおよそ3分前に線路に向かって大きく傾き、その後、時速89キロで走行してきた車両と衝突したことが明らかになりました。
電柱には強度を高める鉄の棒が10本入っていましたが、地震や風でひび割れし、雨水などによる腐食の影響で根元から折れたとみられます。
また、事故の1年ほど前に3年に一度の定期検査が行われましたが、ひび割れは発見できなかったということです。
運輸安全委員会は今後、既存の電柱の補強や、より強固な構造への建て替えなどの再発防止策が必要としています。