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「リスク高く預かれない」高齢者施設でマイナ保険証“登録解除”も 政策に逆行の実態

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「保険証を捨てないで」大阪の医師らがこう呼びかけ、このハッシュタグが拡散しています。というのも、これまでの健康保険証の新規発行が明日、月曜日から停止されるんです。高齢者施設などでは「マイナ保険証は預かれない」と戸惑いの声も。

■「いつまで今の保険証使える?」 保険証の新規発行期限が2日後に迫ったこの日。増えていたのは、マイナンバーカードの申請です。 (職員)「初めての申請ということでございますかね。今日中に来て頂く事はできますか」 世田谷区では4月に4000件ほどだった申請数が10月には約9000件と、2倍以上に増加しています。 (世田谷区マイナンバーカード担当課 惠見明文課長)「やはり皆さんマイナ保険証の関係で、12月2日に保険証が廃止されると思われている方が結構いらっしゃるようで、保険証がなくなるのでマイナンバーカードをすぐに作りたいというお問い合わせがあります」 明日から本格移行が始まるマイナ保険証。最も多い疑問が、「いつまで今の保険証が使用できるのか?」です。 (草薙和輝アナウンサー)「分かりづらいという意見が多いマイナ保険証ですが、これまで使っていた健康保険証はその有効期限までは今まで通り使用することが可能となっています」

■ひもづけなしでも…資格確認書で受診可 加入している保険証の種類によりますが、最長で来年の12月1日まで利用可能です。また、マイナ保険証やマイナンバーカードを登録していない場合でも、保険証の有効期限が切れる前に保険者から送付される「資格確認書」で受診が可能です。 “マイナ保険証”について街の人は―。 (70代)「マイナンバーカードをなくしたらどうなるのかなとか心配ではあるけれども」 (80代)「病歴が全部わかるらしいんですよ、頭の病気で入院していたので、これはいいなと思った」

医療の現場では… 「お手数なのですがご登録お願いします」 都内で4カ所の病院を運営するこちらのクリニックは早くからマイナ保険証のシステム機器を導入、現在は比較的スムーズに受付業務は行われているといいます。 (マイナ保険証を利用した患者 30代)「使えないことがなかったのでそこまで不便に思ってないです」 マイナ保険証で受診する際、カードリーダーにマイナ保険証を入れ、4桁の暗証番号を入力するか顔認証を行い本人確認が終了します。 (草薙和輝アナウンサー)「システムエラーでマイナ保険証が利用出来なかった場合、9月以降に送られてきている、こちらの『資格情報のお知らせ』を提示することで受診が可能になります」 一方、この病院でマイナ保険証を利用する通院患者の割合は3割。全国で見ても15.67%に留まっていますが、メリットもあると言います。 (池袋なないろクリニック 伊藤愛実主任)「お名前、生年月日など個人情報と保険者番号なども一瞬で反映されるようになりましたので、患者様のご案内がとてもスピーディーになりました。人為的なミスがなくなったことでそちらもかなり業務の負担は減っております」

■政策に逆行 マイナ保険証“解除”も 導入に積極的な施設がある一方、政策とは逆行し、マイナ保険証の“解除”を進める施設もあります。 (すこやか福祉会 法人統括マネジャー 天野義久さん)「重要なもの、契約書だとか保険証、介護保険証とかも含めてなんですが、こちらの方で保管をさせていただいているというような状況です」 こちらの高齢者施設では、入居者の通院や緊急時に備えて、従来の保険証を預かっています。 (すこやか福祉会 法人統括マネジャー 天野義久さん)「91名の入居者がいるんですけれども、本当に1日何回も(病院と施設を)往復したり、夜間とかも緊急で対応することもあります」 円滑なサービス運用のためには、保険証が常に手元に必要です。しかし… (すこやか福祉会 法人統括マネジャー 天野義久さん)「マイナ保険証については、リスクが高いというところで、お預かりできないという方針を今の段階では持っておりまして」 保険証以外にも、様々な個人情報と結びついている“マイナ保険証”。盗難や紛失のリスクがあることから、施設で預かることを断念したといいます。 Q.“マイナ保険証”について (約2年前に入居 湯淺忠さん(88))「半分くらい知っていたかな?(自分が)持っているのか、持っていないのかわからない。子どもたちに聞かないとね」 高齢者施設では、寝たきりや認知症の入居者も多いため、本人が管理できないのが実情です。当面は従来の保険証などを預かって、これまで通りのサービスを続けますが、今後、マイナ保険証を持った、新規の入所者に対しては… (すこやか福祉会 法人統括マネジャー 天野義久さん)「2つの選択肢があるかなと思っていて、1つ目はこちらの施設ではお預かりできないので、ご家族に持っていただいて、受診だとか緊急時の受診の対応の時に同行いただくというような形。もう一つはせっかくひもづけをしていただいたものになるんですが、一旦マイナンバーカードと保険証のひもづけを解除していただいて、資格確認書の方に切り替えていただいて、施設の方でお預かりをさせていただくと」 しかし、マイナ保険証の解除、簡単ではないといいます。 (経済ジャーナリスト 荻原博子氏)「解除はもう自治体に丸投げになっている状況ですね。ですから自治体によってやり方が違う。中にはまだシステムがちゃんとできてないからというところもあるんですよね。解除したいという方はとりあえずは自分が住んでいる自治体で聞いてみたほうがいいですね」

12月1日『有働Times』より

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