北九州市で中学生の男女2人が刺され、死傷した事件。犯行時間帯の現場を取材すると、「犯人の心理」が見えてきました。
■北九州殺傷 見えた“犯人の心理”
警戒が続く現場周辺。昼は幹線道路を車が行き交う場所が一転。犯行時間帯を歩くと、現場の死角が浮かび上がってきました。事件は通り魔的犯行だったのでしょうか。
北九州市のファストフード店で塾帰りの中学生2人が死傷した事件。
テレビ朝日が取材した捜査関係者によりますと、店内に入ってきた男は2人の後ろに立ち、中島さん、男子生徒の順で刺したことが分かりました。わずか30秒足らずの犯行。さらに別の捜査関係者への取材で、亡くなった中島さんから警察に対して事件につながるような相談はなかったことが分かりました。
また、ファストフード店と客との間でトラブルは把握されておらず、警察は通り魔的犯行も視野に捜査を続けています。
事件現場となったファストフード店の地主に話を聞くことができました。
ファストフード店の地主 「(Q.店のトラブルは?)警察から聞かれたけど、そういう話は聞いたことない。犯人が逃げているので(店長に)『防犯カメラ映ってるでしょ』と聞いて、店長が『いや実は映っていたけど首から下しか映ってなかった』と話した。向こうにコンビニがあるけど、長時間ゆっくりできるところはここしかない」
気になるのは“犯行時間帯”です。
車社会のためか歩いている人は多くありませんが、見通しも良く、交通量も多い事件現場。ただ、犯行時間帯の午後8時半ごろになると、車通りはまだ多いですが、歩道はかなり暗いです。
現場から北へ逃げた男。警察は裏の住宅街を通った可能性も含めて捜査していますが、その方に向かうとさらに人通りは少なくなり、かなり暗いことが分かります。
ファストフード店の地主 「今も(昼は)こんな感じですけど、夜になるともっと(人が)少なくなる」
通り魔的な犯行であれば、なぜ夜間が狙われたのでしょうか。
元警視庁刑事 吉川祐二氏 「夜間であれば人通りが少なくなること、近所の住民である可能性も高いので、知っていたこともある。防犯カメラに映っている情報が出てきていないので、その手前で路地の住宅街に入っていったと考えられる。やはり犯人としては逃げようという気持ちがあった。全く計画性がないということは言えないと」
地域の、そして子どもたちの不安はまだ続いています。
保護者 「遊びには行かせない。1人で出させないとか、買い物の時も家に置いていたけど連れていくとか、冬休みに入るから学校に行ってしまえば先生が守ってくれるのがあったけど」
警察は事件当時の現場周辺のドライブレコーダーの映像を重点的に集め、捜査を続けています。