東京・台場では強風にあおられ、傘が折れるなど“春の嵐”が襲いました。一方で、真冬並みの寒さに戻った都内では雪も降るなど、春の訪れはもう少し先になりそうです。 ■子ザル足滑らせ…桜名所も雪化粧 16日、全国的に雨や風が強く荒れた天気となりました。 (草薙和輝アナウンサー)「前を向くのが難しいほど強い風、冷たい風で寒さも感じます。街行く人を見ても傘を何とか支えながら歩いている状態ですが、皆さん傘を閉じましたね」 本州の南を進む低気圧や前線の影響で、沖縄から東北にかけて広く雨や雪が降るなど、列島は“春の嵐”に見舞われました。 「寒くて最悪です。帰りたいです。」 「寒いです。」 Q.赤ちゃん大丈夫ですか? 「傘あるんですけど風が強くて…」 東京都心では真冬並みの寒さとなり、正午には気温5.7℃を観測。都内では雪も… 東京・八王子市、高尾山のさる園では雪が降り、地面をうっすらと白い雪が覆いました。積もった雪に一瞬足を滑らせる子ザルも… 山梨県山中湖周辺では、15日の午後から雪が降り続き、県道を一歩入ると、道路が一面雪で覆われている場所も…撮影者によると、30cm程の雪が積もったといいます。春には桜と富士山に、五重塔が楽しめるこの景色も… ■”春の嵐”で風速16m 名物朝市も閑散 一方、激しい雨風の影響を受けた地域も… (山本将司ディレクター)「午前10時勝浦市です。先ほどから雨脚が強まってきました。風も吹いていて横殴りの雨となっています。そして海の方を見てみると波も高くなっているのが分かります」 千葉県勝浦市では、最低気温7.2℃。風は千葉県内で最も強い最大瞬間風速16.3mを観測しました。この影響は、勝浦名物にも… (山本将司ディレクター)「こちら朝市で普段は賑わっている場所なのですが、きょうは店の数が少なくお客さんの姿もまばらです。」 400年以上の歴史を誇る、勝浦の朝市もあいにくの天気で出店はわずか2店のみ。 (朝市に出店した炭火やきとり三日坊主 津野貴之店主)「かなり寂しい状態ですね。本来日曜日だとずっと向こうの漁港から、まっすぐきてこの角曲がった先までお店並ぶんですけど…」 普段は海産物が多く並ぶ朝市。しかし肌寒いこの日は… 「イノシシの肉ですね」 (神奈川からの観光客)「よりおいしかったですね、寒いので。今度は晴れた日にまたトライしたいと思います」 今月に入って東京は、最高気温が20℃を超え、季節外れの陽気になる日がある一方、真冬に逆戻りするなど、寒暖差が激しくなっています。 ■開花遅れるも…桜&クジャクの共演 こうした“気温の乱高下”は、桜の開花にも影響を与えていました。 境内に3000本もの桜を有する、茨城県の雨引観音では、例年より2週間ほど遅く、河津桜が満開の時期を迎えています。 創建1400年以上という古刹を彩る、薄紅色の花々。多くの人たちが、ひとときの春爛漫を満喫していました。 (東京からの観光客)「すごい風情があって、静かなところに華やかな感じがして、きれいだなって」 さらに目を引くのは、境内に放し飼いされている、クジャクと桜の共演です。 「めっちゃきれいだった。羽は開いてくれなかったけど、羽開かなくてもすごいきれいだった」 気温の影響は、ソメイヨシノの開花も遅れさせ、山肌が淡いピンクに覆われるのは、来月上旬になりそうです。 ■”春シラス”漁「絶好調」も天候懸念 不順な天候は、漁の水揚げも左右します。 (草薙和輝アナウンサー)「こちら神奈川県の湘南の海ではシラス漁が始まっています。網いっぱいに入ったシラスが籠へと移されていきます。」 湘南の名物“シラス”。神奈川県では、11日から漁が解禁され、“春シラス”の水揚げが行われています。 Q.どうですか量としては? (北村水産 北村充史代表)「全然いい、絶好調ですね」 一方、2021年には約6万8000トンあった水揚げが、2023年には7割に落ち込んでいます。例年、解禁直後はなかなか獲れないそうですが、この日獲れたシラスは約“150kg”と大漁です。 (北村水産 北村充史代表)「(シラスを)探してるだけで網を入れないで帰る日もある。海の状況次第でだいぶバラバラですね、自然相手なので」 漁から戻るとシラスはそのまま加工場に運ばれます。湘南のシラスは、漁師自ら加工して販売するのが特徴です。脂乗りが良いのが、この時期ならではというのですが… (草薙和輝アナウンサー)「身がふっくらしていますね。そしてシラスの香りとほのかな甘みも感じられて美味しい」 漁が好調な中、変わりやすい天候に不安は募ります。 (北村水産 北村充史代表)「天気が心配ですよね。(しけると)その後いなくなっちゃうパターンが多いから、大漁のこのような調子が今日みたいに、続くと何よりですけど」 3月16日『有働Times』より
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