アメリカのトランプ大統領が9日、相互関税の第2弾を発動したが、日本時間10日朝に上乗せ分については発動を90日間停止すると表明した。ただ、中国についてはアメリカに報復関税で対抗しようとしたとして、追加関税を125%に引き上げて即時発動するという考えを示している。
■トランプ氏が相互関税について急転直下の発言
トランプ大統領 「報復しなかった国には90日間の猶予を与えた。なぜなら、彼らには『もし報復すれば、こちらも倍返しするぞ』と伝えていたからだ。そして実際、中国が報復してきたから、私はその通りに倍にしたんだ」 「(Q.停止する考えはけさ考え付いたのか?)数日間考えていた。その話がまとまったのがけさだった」
午前4時すぎ、トランプ大統領が相互関税について急転直下の発言。中国を除く国に対し、90日間停止すると明らかにした。さらに、中国へはさらなる報復関税を表明した。
トランプ大統領のSNSから 「中国に対する関税は125%まで引き上げる」
トランプ大統領 「中国は歴史上一番、貿易を乱用してきた国だ。去年、中国はアメリカ相手に貿易で1兆ドル稼いだ。これはよくないことだ。それを今、私が反転した」
さらに習近平国家主席について、トランプ大統領は「彼のことを私はよく知っているが、彼もプライドが高い男だ。彼らはどう取り組んだらよいか分かっていないが、検討し答えを見つけるだろう」と述べた。
■NYダウ史上最大上げ幅
トランプ大統領が相互関税の上乗せ分について発動を90日間停止すると表明したことを受け、ニューヨークの株式市場では買いが急速に広がりを見せた。
ダウ平均株価は前の日の終値に比べ、一時3000ドル以上跳ね上がり4万ドルの大台を回復。終値は4万608ドル45セントと、上げ幅は過去最大になった。
また、円相場は一時1ドル=148円台まで3円程度、急落。トランプ大統領の関税政策に翻弄(ほんろう)されている。
■トランプ政権内では亀裂も…
トランプ大統領 「私たちは関税によって一日20億ドル稼いでいる。信じられるか一日20億ドルだ」
トランプ大統領は関税によって、日本円にして一日およそ3000億円の利益を上げると豪語する。
トランプ大統領 「多くの国が取引したいと言って接触してきている。我々は誰もできると思っていなかったことをやっているんだ」
一方、トランプ政権内では亀裂も…。
イーロン・マスク氏 「関税はゼロになることが理想だ」
トランプ政権で要職に就くマスク氏が関税の全面撤回を直訴。これに対し、関税政策を主導するナバロ大統領上級顧問は「マスク氏のテスラ車は海外から部品を輸入している。彼は自動車メーカーではない、自動車の組み立て屋でしかない」とマスク氏を批判した。
これを聞いたマスク氏は「テスラは一番アメリカ製部品を使っている。ナバロはレンガ袋より頭が悪い」と反発した。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年4月10日放送分より)