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1週間で500回超…相次ぐ地震に高まる不安の声 悪石島を現地取材

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鹿児島県のトカラ列島で地震が相次いでいます。この1週間で発生した地震は28日時点で500回を超えました。番組では震源域に近い島を取材。そこには、不安の中で暮らす島民の姿がありました。(6月28日OA「サタデーステーション」)

■取材中もたびたび揺れに

報告・富樫知之ディレクター(28日) 「悪石島が近づいていますね…」

28日、サタデーステーションが向かったのは鹿児島港からフェリーで10時間以上、トカラ列島の1つ、悪石島。

今月21日から、この近海で震度1以上の地震が500回を超えています。そのうち震度4は6回。28日、番組スタッフが悪石島に到着した直後にも…

報告・富樫知之ディレクター(28日 悪石島) 「地震ですかね、下から押し上げるような揺れがありました」

午後8時までに震度1以上の地震を32回観測しています。悪石島では伝統行事のボゼ祭りがユネスコの無形文化遺産に登録されています。この島には、漁業や民宿を営む人など89人が生活をしています。いつ地震が収まるのか、先が見通せない状況に、島民たちは不安な日々を送っていました。

母親「お母さんがいないときに地震が来たら怖いよね?」 息子「外に行って地震を忘れる」

私たちが出会ったのは、10年ほど前に大阪から移住してきた津波古さん。夫と小学5年の長男・充航くん、小学1年の次男・充里くんの4人家族です。家の中に設置してある防災無線が鳴る度に“恐怖”を感じるといいます。

母親「大きな地震が来たら無線が鳴るんですよね」 息子「地震速報来たら、音が怖いから」 番組スタッフ「いま、揺れましたね」

取材を続けていると、また地震が…

母親「こんなのがしょっちゅうですよ」 番組スタッフ「ズドンって来ましたよね」

さらに、その2分後にも…

番組スタッフ「揺れています」 母親「今日はなんか多いな、昨日少なかったから」

こうした状況が1週間も続いています。島内には小・中学生の児童や生徒が通う学校があり、親元を離れ1人で寮生活をしている子どもたちもいます。頻発する地震に親から心配の連絡があるといいます。

県外から留学の中学生 「親には大丈夫だよって言いました。今は寮のベッドの隣に防災カバンとヘルメットを置いています。夜に地震が来たらと思って」

島内にある役場では、有事の際に備えてドローンや衛星携帯などを準備。島民全員分の食糧や毛布なども備蓄しています。役場の職員が心配しているのは地震によってインフラ機能が停止することです。

悪石島主張所長 「水を電力でポンプアップしているので、送水が出来なくなるっていうのもありますし、地震だとどういった規模の災害が起こるのか分からないので」

■南海トラフ地震との関連は?

悪石島では2021年12月に最大震度5強の地震が発生。このときは、ひと月に300回以上の地震を観測。この海域で何が起きているのでしょうか?トカラ列島付近の海を調査し、海中の地形や地質に詳しい専門家はトカラ列島ならではの“特殊な環境”にあると指摘。

熊本大学大学院 横瀬久芳准教授 「沈み込み帯が極めて特殊な状況で、“衝突帯”というふうに呼ばれるんですよ。プレートだけが沈むんじゃなくて地形的な高まりがぶつかってくる」

今回起きている地震はフィリピン海プレートの上にある奄美海台と呼ばれる海底台地が長い年月をかけて沈み込み、陸側のユーラシアプレートにぶつかり続けているため、歪みが溜まって地震が繰り返し起きているといいます。あと数日はトカラ列島近海の地震に注意が必要だといいます。

熊本大学大学院 横瀬久芳准教授 「震度5強ぐらいの地震が起こる可能性は十分にあります。6月30日くらいまでは十分注意をされた方がいいのではないかと思います」

トカラ列島で起きている地震は南海トラフ地震を誘発する可能性はあるのでしょうか?

熊本大学大学院 横瀬久芳准教授 「今回の地震は南海トラフ地震を起こすようなプレート地震が関連するものではないので可能性は極めて低いと思います」

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