19日朝の最低気温は各地で今シーズン最も低くなりました。こうしたなか、異常な暑さに耐えた紅葉スポットに秋が訪れています。
■気温急降下 各地で秋本番へ
朝焼けに照らされる山々。その合間を、ふわふわと雲が漂います。
気温が急降下した福島。寒暖差によってできた雲海が絶景を描きます。
北海道は秋を感じようとする人でにぎわいます。長く厳しい夏が過ぎ、山々も徐々に赤く染まり始めます。
北海道、大雪山系旭岳。色付き始めた“日本一早い紅葉”と呼ばれる山々が秋の訪れを告げます。鏡池はその名の通り青空を映し出します。
東京から 「すごい雄大ですね。普段こんな景色見ることないので」
神奈川から 「これは大雪山麓(さんろく)農園弁当。良いですね、最高です。こういう眺めているのが好きなので、良い場所探して座って」
ただ、標高が高いだけに、気温は1桁に。山の空気は秋を通り越し、冬を感じさせます。
東京・名古屋・九州から親戚で旅行 「びっくりした。一気に冬になった感じ」 「秋でびっくり。あまりに季節に違いが。福岡に帰ったら暑い」
紅葉を見ながら山を登るロープウェーは、まだ紅葉は1割ほど。来週には見頃を迎え、眼下に紅葉のじゅうたんが広がるはず。
東京から 「もう少し紅葉してるかなと思ったけど、これからもっときれいになるんだろうなと」
日本の紅葉は、今や世界に誇る美しさです。
イスラエルから 「イスラエルにはここほど鮮やかな赤やオレンジの紅葉はあまりない」
アメリカから 「息をのむような美しさ。とてもきれい」
今年は色付きが1週間ほど遅れているそうですが、姿見駅周辺は今週末ごろまでが見頃だそうです。
■栗の出来は?
秋の味覚も四季の移ろいを運んできます。
福島ではクリの収穫が最盛期を迎えています。この猛暑で少し小粒なものの、味は例年以上ということです。
購入客 「四季の区別がはっきりつかない、今。こういう食べ物で『秋だな』って感じする」
クリ農家 山浦義博さん 「クリを食べるには手間がかかるが、(時間を)かけた分、おいしさは十分に味わえると思うのでおいしくクリを食べてほしいと思う」
■秋の風景広がる
全国のおよそ6割で今季最低となるなど、気温が急降下した列島。一雨降った東京も、ようやく秋の気配が訪れました。
18日、猛暑日一歩手前となった東京都心。19日、気温は8℃ほど下がり、街はすっかり秋の装いです。
大阪から 「半袖しか持ってなくて、半袖で来るしかなかった」
横浜から 「(Q.朝起きた時)びっくりした。タオルケットかけていたが、寒くて目が覚めた」 秋田から 「(気温が)秋田と変わらないと思った。長袖も持ってきたし、カーディガンも着てきた」
関東でも紅葉が始まりつつあります。霧が立ち込める道を抜けると、そこは…。
栃木県奥日光に位置する小田代原。冬は見渡す限り銀世界に染まり、夏は鮮やかな新緑と、四季折々の表情を見せる草原はこの時期、徐々に赤く染まり始め、黄色や緑の草花とグラデーションを奏でます。
紅葉は例年より1週間から10日ほど遅れ、来週には見頃を迎えるそうです。
静岡から 「自然が豊かで素晴らしかった。静岡だと(気温は)35.6℃。すごく涼しくて快適」
ドイツから 「東京はジメジメして本当に暑かったけど、ここは過ごしやすくて気に入った」
■紅葉に異変 異常猛暑の影響か
群馬県の北東部、川場村にあるお寺「吉祥寺」。紅葉の名所として知られるこの場所で異変が起きていました。
例年、10月下旬から11月中旬ごろにかけて見頃を迎える吉祥寺の紅葉。モミジやカエデが鮮やかに色付き、境内の林が赤や黄色に染まります。
“恋人の聖地”とも呼ばれる吉祥寺。あと1カ月ほどで、若者から高齢者まで多くの人でにぎわう紅葉シーズンを迎えますが…。
一部が茶色く枯れているのは、色付く前のモミジの葉。境内のあちらこちらで日焼けした葉っぱが確認できました。
吉祥寺副住職 村上俊英さん 「(葉が)完全に縮れてしまったりとか…。一部なので、(全体の)1割くらいだと思うが。例年だとそんなに焼けない。今年は多く焼けてしまっている」
副住職によると、原因はこの夏の「強烈な日差し」にあるといいます。
吉祥寺副住職 村上俊英さん 「(夏の)日光が強かった、あとは、うちは池が多くて水面からの照り返しやアスファルトからの照り返しが強い所は結構、顕著に焼けてしまっている」
川場村に最も近い観測地点では、ここ1カ月の日照時間が平年のおよそ1.3倍となっています。
観光客 「真っ赤だときれいだけどね」 「暑さのせいだよね」 「ちょっと残念」
今年も、色鮮やかな紅葉を見ることはできるのでしょうか。
吉祥寺副住職 村上俊英さん 「残暑があまり残らずに、紅葉は気温がぐっと下がってくれると非常にきれいに紅葉しますので、例年通りになればいいなと」