熊本地震から28日で1カ月が経ちました。少しずつ復旧していますが、今も日常を取り戻すことができない人が多くいます。今、何が必要なのか現地で聞きました。
■「もう疲れた」損壊住宅の生活
震度7の揺れが襲った熊本県宇城市。被災した自宅で生活せざるを得ない人たちがいます。
損壊した家で1人で暮らす中島寿さん(91)です。
廊下の土壁が崩れ、大きくひび割れています。
損壊した自宅で暮らす 中島寿さん 「危ないからこうやってテープで止めている。ガバっと落ちてきたら大変。けがをするから」
天井もずれて落ちかけていました。
「全壊か大規模半壊。私の判断では大規模半壊とみている」
中島さんは地震の後、市役所で罹災(りさい)証明書の申請を行っていました。
「罹災証明(の申請)は3日かかった。朝の5時に来て」
被害認定調査には時間がかかるとされ、いまだ罹災証明書は交付されていません。
「とてもじゃないけど1カ月も2カ月もこういう生活は高齢者はもう疲れた」
冷房を付けていても部屋の温度は32℃以上に。
「風が入ってくるから冷房が効かない。カーテンで窓を作っている」
震度7の揺れで自宅のガラス窓が壊れ、外れてしまったのです。
自治体の調査が行われるまでは修理もできないため、ブルーシートとカーテンで急をしのいでいます。
「これを枕元に持っている」 「(Q.木刀?)泥棒が来た時はこれで対抗しようと思って」
■猛暑との戦いも 震度7の街
心労が絶えないなか、厳しい暑さが襲います。
「(室温が)34℃~35℃になり、家にはいられず出て生活している」
宇城市では13日連続で猛暑日を記録しています。
91歳の中島さんは、冷房が効く車内に避難します。
「車の中で寝泊まりすることもある」
住宅の被害が大きかった宇城市では、罹災証明書の申請が1万2000件に及んでいるといいます。
「とにかく一番望むのは、この家で人並みの生活ができるようになりたい。妻の七回忌を済ませるまでは元気で何とかと思って自分に言い聞かせながら毎日を過ごしている」
■避難生活・断水 “見えない爪痕”
1カ月が経った今の熊本の課題は、仕事や暮らしを立て直すことです。
多くの地域で断水や停電は解消されつつありますし、避難されている人の数はおよそ2400人へと減っています。
数字だけで見ると着実に復旧は進んでいますが、実際に取材をしてみると数字では分からない被害が多くあります。
例えば、住宅の屋根にはブルーシートが掛けられていて、庭の部分には瓦が積み重なるように落ちています。
帰る家はあっても万全な状態ではない人が今多くいます。
地震があった直後は水や食料を届けて、とにかくその日一日を乗り切ることが最優先でしたが、今の熊本では一人ひとりの仕事や住まいに合わせたきめ細やかな支援が必要とされています。