豪雨で浸水した先祖の墓はどうなったのか。お盆前の寺では、檀家たちが墓の様子を見に訪れています。
倉敷市真備町川辺の源福寺。豪雨で約300基の墓が全て水に浸かりました。8月4日、石材店などがボランティアで墓石を清掃しましたが、中のお骨の管理は個人に任されています。
檀家の前田光男さん、74歳。先祖たちの汚れたお骨を持ち帰り、洗ってきました。
(前田光男さん) 「もうこの中ヘドロだらけでね、汚かったんですが全部出して綺麗に洗って。洗って納めて供養しようかなと思います」
前田さんは、真備町辻田の自宅も浸水し、今は「みなし仮設住宅」で暮らしています。
(前田光男さん) 「真備町に残るか違う所に行くか。今それが悩みですよね。(Q.お墓はこのまま?)そうですね、ここに岡山県にいる限りは、こちらの方でと思っています」
総社市の三澤秀夫さんと妹夫婦は、9日、初めてお墓の様子を見に来ました。
(三澤秀夫さん) 「どうなってるか不安でしたけどね。(中は)そのままになってました、安心しました」
墓には、88歳で亡くなった父親と57歳で亡くなった母親のお骨を納めていました。三澤さんたちは、真備町に近い自分たちの家が無事だったのは両親のおかげと考えています。
(三澤秀夫さん) 「うちの方にまで被害がなかったので、お墓が大きな被害になったので、それでうちを守ってくれたのかなと思って」
源福寺は墓だけではなく、寺の本堂なども天井近くまで浸水しました。改修工事のめどは、まだ立っていません。
(源福寺/小谷典尚 住職) 「この土壁をはがして土のうにつめていただくっていう作業をしていただきたいんですけど」
ここ数日は、京都府の宇治市職員労働組合がボランティアに来ています。ボランティアたちは、少しでも早く改修工事に取り掛かれるようにと、土壁を崩す作業に精を出していました。
(源福寺/小谷典尚 住職) 「助かりますね。普段だったら坊さん関係の方が来てくれるんですけど、お盆の棚経で皆さん回ってるので、これから復興に向けて一歩一歩進んでいけたらいいかなと思います」