西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町では、お盆に先祖を迎えるため菩提寺の住職が檀家の家を回る「棚経」が行われました。
倉敷市真備町の金峯寺では、7月の西日本豪雨で被災した人たちから位牌を預かっています。
(金峯寺/青山光忍 住職) 「今、泥にまみれたもののように見えるけれども、本来は、尊い大切な宝物ばっかりですから」
12日、青山光忍住職(69)は被災した家を回り、お経を上げました。お盆に先祖を迎えるための「棚経」と呼ばれ、青山さんらは毎年この時期に檀家の家を回っています。
しかし、今年は誰もいない家が目立ちます。青山さんの寺でも、豪雨で檀家5人が犠牲になりました。
そのうちの1人、平松房子さんの家を、青山さんは遺族とともに訪れました。 運び出された、泥まみれの家具などの横に線香を供え、お経をあげます。たくさんの花や野菜を育てていた房子さん。豪雨の前までは、よく手入れされた庭でした。
(母を亡くした平松頼雄さん) 「おじいさんとおばあさんが住んでたんで、おじいさんの今年13回忌、それも合わせて、これから仲良くできるんじゃないですかね、天国で」
こちらの家は、2階まで水に浸かり仏壇も倒されていました。
男性「ボートをそこへ着けてくださって、それで助かったんです」 男性「長生きできましょうで」 住職「ええ、長生きできます、長生きせないかん」
倉敷市では、12日時点で未だに1700人近くが自宅に戻れず、避難所生活を続けています。
(金峯寺/青山光忍 住職) 「私たちにできることは微々たるもんでしょうけれども、長くこのことを記憶にとどめて、そしてこう立ち上がっていかれる姿に、寄り添っていきたいなっていう」