廃棄されていたものの有効活用を目指します。香川県では年々イノシシの出没が増えていて、2019年度の捕獲数は過去最多になりました。この捕まえたイノシシを活用しようと取り組んでいる男性がいます。
(中濱綾那リポート) 「こちらが獣道です、大きいですね…。成獣のイノシシが1頭檻の中に入っています」
香川県では2019年度1万4743頭のイノシシが捕獲されました。 これは前の年度より3000頭ほど多く、統計が残っている1989年以降、最多でした。
イノシシによる人や農作物への被害も年々増えていて、2019年度は全国で最も多い16人がけがをしました。 これから秋から冬にかけては、特にイノシシが市街地に出没しやすい時期とされています。
こうした中、捕まえたイノシシを有効活用しようとしている男性がいます。
(古市祐士さん) 「あるとき先輩猟師からイノシシ肉をいただいて食べると、今まで一般的に臭い、硬いと感じていて、食べてみると全くそういう臭さとかなく、逆にものすごくおいしくて」
古市祐士さんは、2020年4月に高松市でイノシシ肉の販売を本格的にはじめました。 古市さんは捕まえたイノシシの下処理の時間をできる限り短くすることで、衛生的で質の良い肉を製造するよう心掛けています。
お肉の値段は、100グラム130円と市販の豚肉並みです。一般的にイノシシ肉は、牛や豚と比べてカロリーや コレステロールが低く、ビタミンB群が豊富で煮込めば煮込むほど軟らかくなり味が出ると言われています。
(古市祐士さん) 「埋設されたり焼却されたり食べられずに捨てられているんで、これはもっとジビエを広めて皆さんに食べてもらいたいなと。僕自身料理下手なので料理はしないんですけれども、シンプルに塩こしょうで焼いていただいてイノシシの味を味わっていただくのがおすすめ」
(中濱綾那リポート) 「軟らかいですね。臭みが少しはあるかなと思っていたんですが、全く臭くありません。ウインナーのような香ばしい味がします」
古市さんは今後、販売だけでなく焼肉店などへの普及に力を入れていきたいとしています。