高松市は市道に植えている街路樹の多くに安全や景観の面で問題があるとして、管理計画の策定を進めています。
街の美しい景観などをつくる「街路樹」。高松市が2024年、市道の街路樹5764本を調べたところ、約7割が安全性や景観に問題があることが分かりました。
(高松市 公園緑地課/田渕俊郎 課長補佐)
「菊池寛通りという通行量が非常に多い高松市道なんですけど、よく言われる『根上がり』という現象がこれです」
「根上がり」は、根の部分が大きくなり、地面を持ち上げる現象です。見た目だけでなく、歩行者がつまづくなど危険性もあります。
今回の調査で最も多く確認された「問題」は。
(高松市 公園緑地課/田渕俊郎 課長補佐)
「枝葉が電線と重なり合っています。こうなってくると樹木が台風とかで、もし倒木とかが起こってしまったら2次被害が発生したりもする」
「架線への干渉」は今回、問題があった街路樹の約4割が該当していました。他に標識が見えにくくなる「視認障害」もありました。
(荻津尚輝リポート)
「これは見えにくいですね。枝で隠れてしまっています。じっと見つめないと50という数字が見えないです」
高松市では順次対応を進めるものの、十分な管理ができていないのが現状です。その理由の一つが、膨大な管理費です。
(高松市 公園緑地課/田渕俊郎 課長補佐)
「このままでは市内の街路樹は持続できない」
市内の街路樹は植えられて40年以上経過しているものが多く、成長すればするほど1本当たりの管理費が上がります。
予算の制約もあり、1年間に剪定できるのは、全体の40%ほどだということです。
高松市は管理計画案を作成し、9月2日から10月1日までパブリックコメントを集めました。
計画案では、枯れ木の撤去や点検マニュアルの策定、財源確保のために国の支援制度を活用することなどを盛り込んでいます。
(高松市 公園緑地課/田渕俊郎 課長補佐)
「今後も街路樹については将来を見据えてある程度中長期的に考えて適正に残していって、安全な道路空間を確保できるように我々は取り組んでいきたい」
高松市は2025年中に計画を策定し、2026年度からの運用開始を目指します。